カヤック日記


2002年11月の出来事!

急に冬が来たように今月に入って西風の日が多くなり気温も寒くなった。館山の海岸はどこも西に面しているのでいつもは穏やかな内房の海岸が白波に覆われる。西風は吹き始めると数日止まず、しかも10mを超す強い風が吹くことも度々。

拾った貝殻数種

おかげで今月はイルカ観察もツアーもできない日が多かった。それでも自分がカヤックの練習をするにはこの西からの強風は都合が良い。必然的に毎年この季節は強風の中での練習が増えてよい経験の積み重ねになっていると思う。ただしこんな日に長い時間乗っているのは厳しいので、いつもより早めにカヤックを片付けるとビーチコーミングを楽しむ。

この季節は美しい貝殻が多い、どうやら急に水温が下がり比較的温暖な海域を好む種が淘汰される季節らしい。貝にはかわいそうだがこの季節の楽しみの一つでもある。中でもタカラガイは素晴らしい。種類も多く覚えるだけでも一苦労だが、時々完璧な美しいものが見つかるともう一個ないかなあ、とまた歩き続けてしまう。

若いオオセグロカモメ

もうひとつこの季節になると楽しみなのは冬の海鳥が戻って来ること。ウミネコばかりだったいつもの岩場に少しずつ種が増えていく、セグロカモメやオオセグロカモメが来てウミウが来てユリカモメが来る。海上では小さくかわいいウミスズメに遭遇できる季節でもある。

ユリカモメはイルカに驚いて海面に跳ねる小魚を狙うためイルカの上空で鳥山をつくる。ウミウは南房総のいくつかの岩場や崖を糞で白く染め直しに来る。 若いセグロカモメは怖がりもせずに140cmほどもあるという大きな翼を広げてカヤックのすぐ上を掠めていく、そんな時は思わずパドリングは止まり、口は開いたまま空を見上げてしまう。みなパドリングを楽しくさせてくれる海の仲間です。

26日、白浜町から海を見ると大島の東端に雲まで届く煙が見えた。
三宅島の最初の噴火を見たのもこの場所だったので今回はてっきり大島で噴火が始まったと思ってしまった。 すぐ後に座礁していた自動車運搬船が燃えたということを知った。 油も漏れているというので、次の日から油が海岸に漂着するのではないかと心配になり比較的可能性が高いと思われる白浜の海岸に通ったが問題なかった。 タンカーでなかったのは不幸中の幸いだと思う、それでも大島では大量の油が被害を及ぼしているという。 約40kmの海に隔てられてはいるけれどいつでも沖に見えている大島は隣近所という感じがする。

白浜から見た運搬船の煙.(右が大島、左は利島)

数十年前には白浜でも大型船が座礁し海岸が一面油で汚れたことがあったという。 数年前にも館山湾で停泊していた船が河口に座礁したことがある。 これだけの頻度で船が座礁しているというのはとても怖いことだと思う。 東京湾から出入りする大型船の通り道である館山、白浜沖にはいつも船が見える、それら全てが油の塊に見えて恐ろしく思えた。





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