今月もいろいろありました、特にストランディング。 房総ではありませんが1日には茨城でセミクジラのストランディングがありました。
夜中に車を走らせ現場へ向いましたが結局ただの見物人と化してしまいました。3日はツアーだったので夜中に館山へ戻りました。
若くして死んでしまったクジラにはかわいそうですが日本近海にまだセミクジラがいてくれることを実感することが出来たことが嬉しかった。
また大型クジラのストランディングの現場の苦労を目にすることが出来たのは有意義でした。
今月は時化が多くイルカの観察が思うようにいきませんでしたが7日には大きなニュースがありました。群れにオトナイルカが一頭加わったのです。
この日はツアーでお客さんと群れを発見し観察していましたがいつも見られない行動パターンだったので十分注意して観察していました。群れがこちらに接近してきた時によく見ると群れのボス的な存在である7番(S-7)が誰かを追い回しているのが分かりました。しかも追われているのが誰なのかが分かりませんでした。
誰だ??と思ってその個体に集中して見ていると背びれには白い傷がありやや歪んでいました。すぐに新しい個体が加わったと感じたのですが、用心して他の個体が全ているかを確認しました。そしてスノ(S-2)(2002年8月の日記参照)がいないことが分かりました。しかしスノの背びれは大きく欠けており他の個体と見間違えることは考えられませんでした。
結局この日は新たに群れに加入した個体を完全に確認できずに終わってしまいました。
そして次の機会は一週間後の14日でした。この日は九十九里一宮在住の秋山先生と共に観察を行いました。そして明らかに1頭の成熟していると思われる個体の加入を確認することが出来ました。
この個体をS-10としました。名前はまだつけていませんが、とりあえず単に10番と呼びます。
この日水中でも10番を見ることが出来ましたが水中は非常に濁っていて水中撮影には向いていませんでした。水中での撮影が出来ないと雌雄の確認は出来ません。
そしてこの日もスノがいなかったのが気がかりでした。10番が加わってスノがいなくなったのは10番が雄だからでしょうか?
以前群れに7番(雄)が加わった後スノは群れを離れていることが多くなりました。最近はずっと群れの中で確認できていたのでスノが群れから離れたのは、多分10番の加入が関係しているのだろうと思います。
10番と7番が争うような様子をよく見ました、そして今日は7番にも背びれに赤みを帯びた大きな傷がありました。ボス争い??
10番やスノのその後はまたこのページで報告できると思います。
21日には館山市の海岸でカマイルカのストランディングを発見しました。
まだきれいで死んでしまってから間もないようでした。雌で舌の形状などから若い個体と思われました。全長は現場で測ったとき168cmその後科博で計測し167cmに訂正されました。
漂着現場にはカラスが約50羽も集まっていました、お陰でストランディングが発見できたのです。
この件は国立科学博物館の海棲哺乳類情報データベースの速報でも紹介されています。
これから海に出かけることも多くなると思います。皆さんも漂着した鯨類や海亀類を見つけたときには是非ご連絡ください。
このカマイルカに関する詳細は以下をご覧ください。
国立科学博物館 海棲哺乳類情報データベース URL
http://svrsh1.kahaku.go.jp/
ストランディング速報の「2003/04/21 館山カマイルカ」をクリックしてください。
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