今月は良いニュースがあります!
実は4月13日から姿が見えなかったイルカのスノが5月26日に白浜の海で再確認できました。
この日は知り合いと2人でイルカを探しながら漕いでいましたが、オオミズナギドリが沢山飛ぶ中で撮影中、突然前方でイルカ独特の呼吸音が聞こえました。
そこには見慣れたスノの背びれが見えました。
その後、徐々にカヤックに接近する回数が増え、すぐ側で何回もジャンプをしてくれました。
私もかなり気分が高揚しましたが、イルカのスノも同じだったのかもしれません。
しかしまだ群は見つからず1頭だけですので遭遇率が低く遭える可能性が低いですが元気で暮らしている姿を見て安心しました。
海岸では珍しい蝶に遭いました。
南房総の海岸には貴重な海浜植物が見られますが、中でも春に白い小さな花を咲かせるスナビキソウは限られた海岸でしか見られません。
4月の終わりに花の咲いたスナビキソウを撮影中、きれいな蝶が集まっていることに気づきました。
前にも見たことがあるような気もしますが、とにかくこんなに群れているのは見たことがありませんでした。
どうやらスナビキソウが好物のようで、数えてみると近辺のスナビキソウ群落全体で12頭確認できました。
写真を撮り、帰って調べてみるとアサギマダラという蝶でした。
この蝶は長距離の季節移動をすることで有名で、海亀や鳥類で行われているのと同様の移動調査がされていることが分かりました。
移動の調査には個体識別する方法が必要ですがイルカなどのように目立つ明確な自然標識(傷など)を持たない鳥や海亀などではタグやリングと呼ばれる人工の標識を体の一部に付けて行います。
昆虫ではサイズが小さいためなかなか困難なようですが、アサギマダラの場合は翅の一部に左の写真のように鱗粉の無い白い部分があり、そこに油性ペンでマークを書かせてもらいます。
傷つけないように捕獲し、そっとマークを書き再び放します。
そっとスナビキソウの上に放してやると案外驚かず、またすぐに花の蜜などを吸い始める個体も多く、それほどストレスが無かったのだろうと感じられ安心します。
そして数ヵ月後にマークを付けた個体がどこかの誰かに運良く見つかれば、その間の移動が確認できるのです。
これをマーキング調査といいます。
昆虫にはあまり興味を持てなかった私もここ数年、海上で出会う蝶等の昆虫に興味を持ち始めていました。
ある日にはオオキンカメムシという美しいカメムシが太平洋から陸を目指して多数飛来したこともありました。
海を渡るような大移動をする昆虫はカヤッカーにとっては大先生です。
マーキング調査によって、何のために渡りをし、またどのような能力によってそのような長距離の渡りを可能にしているのかが解明されるかもしれません。
私もアサギマダラを浜に集まる生物のひとつとして捉え、調査に参加することにしました。
アサギマダラに興味をお持ちの方はアサギネットのウェブサイトをご覧下さい。またどこかでアサギマダラを見かけた時にはこちらに連絡してみてください。
アサギネットURL
http://www2h.biglobe.ne.jp/~pen/asaginet000.htm
今月は早々に台風が接近しました。
陸ではたいしたことは無かったですが、海上はかなり凄まじかったです。
写真は21日の最も接近した日に布良の海で撮影しました。
写真ではスケールが分かりにくいですが、さすがにサーファーも入らない山のようなサーフでした。
しかし見ているとあまりに美しいので少々怖がりながらも岩場で眺めていました。自然の力と造形はやっぱり凄いです。
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