カヤック日記


2004年8月の出来事!

子亀の敵(子ガメが見えますか?)

今年も南房総の海亀産卵が終わったようです。
6月から8月29日現在までに白浜町で25、館山市で10、和田町で5、千倉町で1の計41回の母亀上陸を確認することが出来ました。
今年は和田、千倉にも時々出かけましたが順調に記録が出てやりがいがありました。
特に根本(写真下)での産卵状況は毎日欠かさずに確認したこともあり記録を伸ばしたようです。
また産卵シーズンが終わり孵化の季節に入りましたが、7月6日、7月8日に根本で産卵された卵が孵化に成功しました。
しかし残念なことに6日の巣では脱出後にやはり今年も街灯に誘引された子亀49頭が街灯に近いドブで死んでしまっていました。
内1頭は近くの植生の中から見つかり、まだかなり元気だった為、海にすぐに戻さずに子亀の日中の行動を観察してみるため巣の位置に戻しました。
上の写真はその子亀ですが巣の位置からほぼまっすぐに海に向かいました。
夜間にあれだけ光へ向かう習性があるのに光に溢れた日中(10時頃)に何を目指して海に向かうのか不思議でした。
単に視力に頼っているのかと思いましたが子亀の目線では海は見えなかったことでしょう。
この子亀が海に帰るまでにも様々な難関がありました。

今年もテントで溢れた根本海岸キャンプ場(あまり楽しそうではない…)

写真のように巣の周囲にはテントを建てるために使った砂袋が多数放置されていてそれにぶつかっては避けていました。
またよく問題視される車の轍もやはりなかなか登れずにいましたが、何とか脱出していました。
脱出できないくらい深い轍では、轍に沿って海とは違う方向に歩いていくようでした。
このように今年もいくつか良いことと悪いことがありましたが、去年とは違い順調に上陸記録が出たことは嬉しいことでした。
白浜町の海岸では主に街灯の明かりが海亀の繁殖に大きな影響を与えていると思われます。
街灯の明かりを低圧ナトリウム灯というオレンジ色のものに変えることで海亀には見えない(?)光になるといわれており影響を最小限にすることが出来ます。
昨年まで考えていた街灯の完全撤去は安全面などの理由で却下されると思われるので、現在この球換えの方向で考えています。
根本海岸の電気工事を請け負っている電気屋さんに聞いたところ、1灯につき約1万円で球換えが可能ということでした。
根本海岸だけで約15灯ありますので最低でも15万円が必要になり、更に近辺の砂取、滝口、名倉などの産卵地も考えると更に必要になります。 しかし役所に頼んでもお金は出そうも無いので現在募金を検討しています。
もし賛同してくれる方がいらっしゃいましたらご連絡頂ければ幸いです。
とりあえず根本海岸の15灯を換えて試し、効果があれば他の地域に広げていければと思っています。
どうぞ宜しくお願いいたします。
夏の房総を通り過ぎていくシギたち
参考文献

○三重県環境部 人と自然の共生チーム
海岸地域の人工照明によるウミガメへの産卵・ふ化に対する影響の軽減について http://www1.eco.pref.mie.jp/shizen1/guideline/

○環境管理局
地域照明環境計画策定マニュアル
http://www.env.go.jp/air/life/m-syomei/
3-3 動植物への影響
http://www.env.go.jp/air/life/m-syomei/06-02.pdf








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