今年も南房総に海亀が上陸しました。
上陸は6月30日現在までに館山市で2回、白浜町で5回(内1回は守氏発見)、千倉町で3回、和田町で3回確認できました。
今年最初に上陸が確認されたのは白浜町根本で6月5日、発見者は根本の漁師さんの守さんらでした。
私が位置を確認しに行った23日には、残念ながらその直前の大雨で河口近くに産んであった卵は流されてしまった後でした。
海亀産卵調査体験ツアーでは18日の夜、白浜町の海岸で運良く母亀を観察する事が出来ました。(写真の個体)
この母亀は同町在住の林さんらが既に観察をしていて聞いたところ、なんとまだ薄明るい7:30頃には産卵をしていたそうです。
砂まみれの体で必死に歩くその姿を皆で海に帰るまで観察させてもらいました。
他には死んでしまった亀も打ち揚がる数が増え始めたようです。
中でも16日に平砂浦海岸に漂着した珍しいオサガメは是非見ておきたいと思い調査の見学に行きました。
キールの何本も入った流線型の背中に長く美しい前ヒレなど海の生物の中でも特に洗練された形態もののひとつと感じました。
いつかきっと大きなオサガメが悠々と海を泳ぐ姿を見たいと思いました。
とても残念な事もありました。
館山市の伊戸にあった希少な海浜植物であるスナビキソウの群落のほとんどが沿岸工事によりほぼ消滅してしまったのです。
11日に群落の半分が埋められている事に気付き市役所に連絡したところ、それ以上は工事は進まないという話で以後希少生物には十分注意するとの話でした。
ところが14日にたまたま通りかかったので見てみると工事の範囲は広がっており、このようなことになってしまいました。
残された株は岩の上にある僅かなもののみでした。
事前の生物調査を行ったとのことでしたが、一体何を調べたのか?
とてもガッカリさせられた出来事でした。
以下は
2005/4の日記
に既に載せた内容ですが参考の為再度掲載します。
※参考:スナビキソウのレッドデータ評価
千葉県カテゴリー:C 要保護生物
個体数が少ない、生息・生育環境が限られている、生息・生育地の多くで環境改変の可能性がある、などの状況にある生物。
放置すれば著しい個体数の減少は避けられず、将来カテゴリーBに移行することが予測されるもの。
このカテゴリーに該当する種の個体数を減少させる影響及び要因は最小限にとどめる必要がある。
(千葉県自然保護課ホームページより)
他の地域
宮城:絶滅危惧U類、愛知:絶滅危惧IA類、和歌山:絶滅、鳥取:準絶滅危惧、香川:絶滅危惧T類、長崎:準絶滅危惧、熊本:絶滅危惧IA類 など
(各県ホームページより)
お知らせ
イルカ・クジラウォッチングNAVIホームページで館山のミナミハンドウについてと藤田を紹介していただきました。
是非ご覧下さい。
ICERC Japan イルカ・クジラウォッチングNAVI URL
http://www.icerc.org/watching/
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