今月も白浜町で5ヶ所、館山市で8ヶ所、丸山町で1ヶ所の海亀の上陸を確認する事が出来ました。
内、白浜町の巣では卵を確認していますが、その他の地域では上陸の確認のみ行い、また白浜町には毎朝通い何ヶ所かのポイントで上陸を調べています。
他の地域(館山市、千倉町、丸山町、和田町)では今年は大潮の時期に1回と決めています。
ですので白浜町以外の上陸調査は完全なものとは言えませんが記録は取らないよりは取れるだけでも取った方が良いという考えで行っています。
記録内容は足跡の辿った経路を主にしています。
それにより特に重点を置いている白浜町の海岸線で見られる他ではあまり見られない蛇行した足跡の理由を確かめたいと思っています。
それとの比較対照としても人工的な傷害の少ない地域(館山市平砂浦など)の記録を取っておきたいと考えています。
今月は台風7号が千葉県に上陸しましたが、館山市の私の自宅では鴨川市に台風が上陸したという報道をテレビで見ている時にも開け放した窓からは心地よい風が吹き込みとても過ごし易い、うそのような状況でした。
それでも次の日に巣の様子を調べに行ったところ外房の海岸線では多くの場所で高波が押し寄せた形跡があり、白浜町のある巣では卵が流出し流れ着いていました。
他の巣でも流出、もしくは浸水があったようです。
毎年、多くの海亀の巣が台風の起こす波により被害を受けます。
そういう様子を見た多くの人から「巣を予め移転する方が良いのではないか」と言って頂きます。
しかしこのような貴重な生物の生存に関わる事を私一人の考えで決める事はできませんし、そもそも母亀の意志で選ばれたその場所を勝手に動かす事が良い事なのか?と考えています。
孵化を成功させる事だけが大事なのではなく、長い目で見てその環境が改善されていき母亀がおかしな場所に大切な卵を産んでいく事が無くなるようにする事が最も大切だと思います。
時間がかかる方法ですが南房総の多くの産卵地では母亀が健全に産卵する砂浜に戻す事が可能と考えています。
このような私の考えは一宮で海亀の調査を続けている秋山先生の影響を強く受けています。
これまでに母亀が産んでいった今年の巣が全滅に近い状況と思われ、残念ではありますが今後の産卵と生命力の強い子亀に期待したいと思っています。
秋山先生のホームページ
http://homepage2.nifty.com/beach99/
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