今月は白浜町で4ヶ所、館山市で3ヶ所、和田町で1ヶ所の海亀の上陸を確認する事が出来ました。
また今月半ばからは既に6月に産卵された巣で孵化の時期を迎えました。
しかし多くの巣で台風等の際に波を被ったり卵が流出するなどしていた為、孵化の可能性が低くなっていました。
それでも27日には白浜の巣で子亀の足跡が確認できました。
この巣では台風7号、11号と7月23日の関東での強い地震の際には巣周辺で液状化が起こるなどの被害もありました。
液状化は白浜町の海岸で7月24日、25日、26日に渡って確認されました。
私も26日にはいつもはしっかりしている植生に近い砂地で踝まであっという間に埋まってしまう経験をしました。
この場所は今回子亀の脱出が確認できた巣から近く、より安定した地盤ですので巣内では更に大きな変化があったものと思われます。
そんな経緯がありながらも生き残った子亀の生命力に感激します。
台風11号の際には白浜町の根本海岸でオオミズナギドリの漂着に遭遇しました。
死んでしまっているものでは珍しくないほどミズナギドリ類はよく漂着しますが今回は生存したまま2羽が漂着していました。
台風が去った朝出かけると1羽は砂浜に脚をとられながら飛び立つ事が出来ずにいました、また羽も水を弾かなくなっていて手入れをしなければ飛行は困難と思われました。
もう1羽はなんと逆さまになった状態で半没しており砂の中から脱出できずにいました。
ウイルスや寄生虫予防の為に手袋をして砂の中から引き出し様子を見ると翼が絡み合うようになってしまっていて、羽ばたく事も出来ない状態でした。
暴れて大変でしたがなんとか翼の状態を戻す事が出来、羽ばたく事が出来るようになり少しホッとしました。
しかしこの個体も羽が傷んでおり飛行は出来ないのではないかと思われました。
オオミズナギドリは繁殖の時しか上陸せず、陸上で飛び立つには木に登るなどして高いところから飛び降りながら飛び立ちます。
出来るだけこの状態に近づけるように近くの角度のある砂丘の頂上に置いて見守ったところ、しばらく羽を繕った後に1羽が羽ばたきながら飛び降りましたが、やはり飛ぶ事は出来ませんでした。
羽の状態が良くなるまで保護する事も考えましたが結局そのままにすることにしました。
根本海岸はこの時期毎日亀の調査に行くので次の日にも昨日のオオミズナギドリの姿を探しましたが、やはり残念ながら2羽とも死んでしまっていて他の動物に食べられていました。
台風など天候が厳しくなる度にこうやって多くの動物が淘汰され、そして他の動物の体に取り込まれていく事は自然のサイクルです。
それでも生きている姿を思い起こすと何とか良い方法で助けられなかったのか?とも考え複雑な気持ちになりました。
そんな中、今年も夏休みには多くのキャンパーが根本海岸キャンプ場に訪れました。
台風11号の前日までキャンパーが見られましたが同時にキャンパーが残していった多くのゴミは台風11号が見事に洗い流してしまい海岸は一晩で見違えるほどきれいになってしまいました。
海岸はきれいになりましたが、それらのゴミは海に流れ出し浮く物は黒潮に乗り太平洋の遥か東へ流れて行き、沈む物は深く深海まで沈んで行くのかと思うとゾッとしました。
キャンプ場を経営する白浜町根本区はキャンプ場で発生した放置ゴミを回収する義務があります。
しかし毎年同じように多くのゴミが海に消えていきます。
また20日前後のキャンプ場閉鎖後もしばらく海岸入口のゲートが開いたままになり多くの車が出入りし管理されていない状態でキャンプが行われている事が更に状況を悪くしています。
このような状況を変えていくには、まず当然な事としてゴミを置いて帰らないことですが、お客さんであるキャンパー自身がそういうゴミを放置している管理者に指摘をするのが効果的ではないでしょうか?
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