カヤック日記


2007年5月の出来事!



餌を食べているハヤブサ 今年も海を楽しむのに最適な季節がやってきました!
今月は既に夏日の日もあったほどで、そんな晴れた日にはツーリング中に水に入ってしまいたくなるほどでした。 水温も少しずつ高くなり、これからはサーフやリカバリーの練習にもじっくり取り組めます。

海岸線に暮らす鳥達も繁殖の季節になり特にクロサギ、アオサギ、ハヤブサ、イソヒヨドリなどは目に見えてソワソワしています。 どの鳥も海岸線の崖の窪みなどに巣を作りますが、その下をカヤックで通ると警戒して偵察や威嚇しに来ます。
他にも砂浜ではシロチドリが営巣を始め、やはりビーチコーミングなどで海岸を歩いていると警戒して不自然な行動を見せます。 巣のすぐそばまで行くと親鳥は周辺で弱ったふりをしてこちらの気を引こうとします。

テリハノイバラ






暖かい日が続き海岸の植物は青々とし、それぞれ沢山の花を咲かせています。
特にこの季節にはスナビキソウ、ハマボッス、テリハノイバラ等の白い花が目立ちます。
その中のスナビキソウには毎年4月から梅雨頃までにかけて海を渡る事で有名なアサギマダラという蝶がやって来ます。 スナビキソウはムラサキ科の植物ですが、その中に含まれるピロリジディンアルカロイド(PA)という物質を吸収する為にオスだけが誘引されます。


07初アサギマダラ 今年もスナビキソウに集まったアサギマダラにマークを書き込む調査をしたいと思っていますが残念ながら今年はアサギマダラの訪れが遅くあまり良い調査が出来なさそうです。
写真は7日に館山市で今年初めて確認した個体ですがPAを摂取する為か花ではなく枯死した葉で吸汁しています。
他に白浜町で2頭だけマークを記入し放蝶しています。

アサギマダラは千葉県ではどこにどういう頻度で現れるかということがまだあまり分かっていない昆虫です。
繁殖地や移動経路の研究が進んでいますが偶然に意外な所で見かけたという情報はとても貴重なものです。 何処かでこの蝶に遭遇した際には是非ご一報頂ければ幸いです。
興味をお持ちの方は以下の書籍がお勧めです。

「旅をする蝶 アサギマダラ」
宮武頼夫・福田晴夫・金沢 至 編著 むし社

「ナショナルジオグラフィック日本版 5月号」(特集 海を渡る蝶 アサギマダラ)
http://www.fujisan.co.jp/Product/1281679756/


千葉県では久しぶりにクジラの漂着もありました。
種はニタリクジラという中型のヒゲクジラで場所は袖ヶ浦の埋立地の工業地帯でした。
発見は15日で漂着時既に死亡していたそうです。その後空地に揚げて解剖調査されました。
海がシケで手が空いていたので私も調査の手伝いに参加して来ました。
やはり生きている時に会いたかったものだと思いました。
漂着した場所は以前コククジラのコドモが迷い込んで少しの間暮らしていた場所のすぐ近くでした。
何か引き寄せられる要因があるのでしょうか?不思議です。

これらの生き物を見ていると千葉県は大小様々な生物のの通り道になっているんだなぁ…と実感します。
今回死んでしまったクジラのように動物達の旅は厳しいものと思いますが、どこか憧れを感じますね。

袖ヶ浦ニタリクジラ













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