今年もウミガメが産卵をしに南房総にやって来ました。
6月2日に南房総市白浜町根本で上陸を初確認しましたが残念ながら卵は産んでいませんでした。
その後も30日までに館山市、南房総市の白浜町、千倉町、丸山町、和田町で計15回の上陸を確認しました。
卵の有無は白浜町と千倉町でのみ確認していますが根本で1回、千倉で1回確認出来ただけでした。
今年も上陸したにもかかわらず産卵できずに海に戻っていく亀が多いようです。
多くの場合、巣穴を掘っている時点で石やゴミなどが出てきた為に穴掘りを諦めたと思われるものが多いですが条件が悪そうも無いのに産まずに帰っている上陸痕もあり不思議です。
先日巣を調査中に海岸で出会った地元の人が「産卵を終えて海に帰る亀の背中に乗ってみた」と話していました。
上陸したウミガメに近づきすぎたりした場合、ウミガメは産卵をやめて海に帰ってしまう場合があるそうです。
あの体重で歩行に適していない鰭足で砂の上を歩くのは大変な労力と思われます。
もし夜の海でウミガメに出会った時には出来るだけ静かに遠くから見守ってあげてください。
毎朝ウミガメ産卵調査の為に海岸を歩いていると昼間以上に多くの漂着物に出会います。
特に日中の日差しで干からびてしまうものや鳥などの餌になるものは朝の方が多いものです。
この季節に代表的なものはカツオノエボシやカツオノカンムリなどの風を受けながら海面を漂うクラゲ類で特にカツオノエボシは特に今年は毎朝必ずというほど打ちあがっています。
カツオノエボシには今のところまだ刺された経験がありませんが知り合いなどから聞く経験談はどれもかなり辛そう…。
海岸に打ちあがった姿は半透明のプラスティックで出来た餃子の様、気持ち悪いような美しいような不思議な姿です。
新鮮な個体は打ちあがっても浮き袋をゆっくりと動かしていて見れば見るほど気持ち悪い生き物ですがどうしても興味が沸いてしまうのも確かです。
更に打ちあがって瀕死と思われるものも触手は元気でバッチリ刺されるそうなのでくれぐれも手に取らないで下さい。
浮き袋のサイズは大きくても10cmほどですが細いく長い触手は数メートルに及び、生きているときには餌を捕るために使われています。
梅雨の植物と言えばアジサイですが今年も大房岬などのガクアジサイ群落では花が満開です。
ガクアジサイは日本固有の種で図鑑によると分布は関東南部から伊豆の海岸ととても狭い事に驚きます。
房総では海岸林の植物として普通に見られる種ですが世界の中でガクアジサイが自生している姿を眺められるのがそれほど狭い地域なのだと知るとなんだかラッキーな気分です。
園芸種として普通の植物ですので種が絶える心配はないですが自生している環境が維持され、これから先も梅雨の海岸の主役であって欲しいと思います。
7月もしばらくはその姿を楽しめますので是非南房総へガクアジサイを見に来てください。
参考図書
野山の植物 牧野晩成 著 小学館
クラゲガイドブック 並河 洋 著 楚山 勇 写真 TBSブリタニカ
お知らせ
今シーズンから8月も通常スケジュールに変更いたしました。
これからは夏ものんびり漕いでください!
過去の日記一覧へ
|