カヤック日記


2007年8月の出来事!



夕暮れの海 今月もウミガメの産卵が確認できました。南房総市白浜町では産卵確認4ヶ所、上陸のみ1ヶ所、同市和田町では上陸を1ヶ所確認する事が出来ました。
また今月は待望の子亀の孵化を確認する事が出来ました。 6月14日に南房総市千倉町で発見した巣でしたが発見した日は既に足跡も無く、薄っすらとボディーピット(母亀が巣を掘る為に作った窪み)の様子が分かるだけでした。
産卵日が正確に分かりませんでしたが8月20日の定期調査の際、巣の様子を見に行くと子ガメの足跡が巣穴に出来た窪みから海に向かって広がっていました。 この脱出痕は比較的新しくこの数日の間に脱出したようでした。

千倉の産卵地には街灯がほとんど無く、足跡を見ると子ガメは迷うことなく真っ直ぐに海に向かった事が分かりました。
館山の平砂浦、南房総市の千倉、丸山、和田でもほとんど街灯が無い為、子亀も母亀も人工の光に惑わされる事無くほぼ真っ直ぐな足跡を残します。
しかし私の調べている産卵地の中で南房総市の白浜町だけは灯台を模った立派な(?)街頭が高い密度で海岸を照らしているため亀は毎年無駄な消耗と死を強いられています。
8月が過ぎ産卵の調査を終えましたが、9月〜10月にかけて子亀が孵化する予定ですので見守っていきたいと思います。

カイダコ(アオイガイ) 今月はきれいで珍しい貝を見つけました。(写真左)
アンモナイトやオウムガイのイメージに近い貝殻を持ち浮遊して暮らすタコの貝殻です。 貝殻が浮かんで暮らすというと不思議な感じがしますが他にもアサガオガイ、ルリガイ等比較的高い頻度で漂着が見られる浮遊性の貝類もあります。

今回拾ったカイダコの殻は日本海側では冬には普通に漂着が見られるそうですが太平洋岸では珍しいといいます。 私もまだ2つめで見つけた時には思わず「オッ!」と声が出てしまいました。 見つけた時には写真のように立ち上がっていて不思議でした。 いつかカイダコが泳いでいる姿を見てみたいものです。
カイダコの天敵はアカウミガメだったりしないのかな?と考えて見たりもしましたが、どうでしょう?

他にもギンカクラゲ(写真下)が沢山漂着しました。
貝殻のように持って帰って飾るような代物ではありませんが新鮮な個体のブルーはなかなか鮮やかできれいです。 このクラゲは触っても痛みは感じませんでしたが、一応クラゲですのでお勧めしません。
前出のルリガイも大量ではありませんでしたが少量が毎日のように漂着していました。

ギンカクラゲ 13日の朝には海外で足輪など標識を付けられたミユビシギを確認しました。(写真下、矢印が脚に付いた標識)
毎朝のウミガメ産卵調査では多くのシギ類が餌を食べているシーンに出会います。 白浜町の海岸はシギの観察ポイントとしても素晴らしいところです。

この日はツアー前に6時頃現地を歩いていましたが遠目にも目立つフラッグと言われる鳥の脚につける標識が見えました。 双眼鏡で確認後、何とか写真も撮れました。
渡り鳥の調査を行なっている山階鳥類研究所のサイトで調べてみると南オーストラリア州でマークを付けられた個体と分かり、その後報告をしておきました。

同研究所には2002年の8月31日にやはり白浜町で見つけた標識付のミユビシギ確認を報告しています。 サイトでは報告された記録が最近アップされましたので興味のある方は見てみてください。

しかしあの小さな体で南半球から飛んで来るのですから凄いですね。尊敬しちゃいます…。

以下、山階鳥類研究所ウェブサイト内

渡り鳥と足環
http://www.yamashina.or.jp/ashiwa/ashiwa_index.html#14
シギ・チドリ類のカラーフラッグ観察結果 海 外 放 鳥 2
http://www.yamashina.or.jp/ashiwa/flag/0_kaigai2.html

標識の付いたミユビシギ















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