カヤック日記


2008年11月の出来事!



シケの東京湾外湾 今月は風の強い日がとても多くなりました。 東京湾もこんな←です。 日差しはあっても強い風が吹くとそれだけで体感温度が低く、カヤックを漕ぐにもすっかり冬の装いです。 風の中でのコントロールを練習するにも良かったですが、限度がありますね。 もちろんシケの合間には気持ちの良いツーリングもできましたが、やはり海に出る頻度が低くなりました。 そんな時はカヤックに拘らず海辺を散策します。

実際に海に出なくても波を見て歩くだけでも十分良い経験を積む事になると思います。 厳しい条件の海に出ると誰でも多少は冷静に状況を観察できなくなる事があります。 そういう中に突っ込んで行って冷静になる事を試すのも訓練だと思いますが、その前に相手がそういう状態なのかを知っていない場合には冷静になるのが難しくなります。
陸から落ち着いた気持ちで風の中で海がどうなっているのかをじっくり眺めながら様々な形態の海岸を見て歩くのは必ず役に立つ練習のひとつだと思います。 海がシケて漕ぎに行けない時も海に行って海岸を見て歩く習慣を是非つけてみてください。 きっと目が肥える事と思います。

シロチドリ 今月はそんな海辺でよくシロチドリを見かけました。 風のあたりにくい場所を選んで、うずくまっています。 その砂地と同じような色合いは完全に保護色で身動きをしなければ5mくらいまで接近しても気づかない事も度々です。
彼らは強風の中を出来れば動きたくない様で夏に見る時よりもなかなか逃げませんから突然群れ全体が動くと一瞬ドキッとします。 やはり夏には卵があったり雛を連れていたりで用心深い事もあるのでしょう、しかし今はとにかく風に当たりたくなさそうです。

自分と同じくらいの石の影に隠れたり、窪みを見つけてうずくまっていたりしています。 それでも砂浜にいる限りは砂は飛んでくるし、風を遮ってくれるものは少ないので大変そうです。 それにやけに空を気にしている個体が多く、空からの捕食者に対して警戒している様子でした。
シロチドリは見たところ海鳥としては風の中の飛行が苦手なようで、強風の中で空からの捕食者に見つかった場合に逃げ切れる自信が無いのかもしれません。


館山から見た富士山 しかし、なぜ砂浜の背後にある海浜植物の中などに逃げ込まないのでしょう。 少なくとも風はほぼ遮ってくれるでしょうし、空からの天敵には見つかりにくくなる筈です。
想像ですが植生の中に入れば今度はヘビやネコなどの陸の捕食者に気付くのが遅れるというリスクがあるのではないでしょうか? 海浜植物の中で鳥類はあまり見かけませんが、ヘビは時々見かけますしネコは漁港近くであれば大抵見かけます。 そう考えていくと保護色を利用して砂浜の小石に隠れてじっと風が止むのを待つのが賢明という事になるのかもしれません。 いずれにしても大変な暮らしですね。

風が強い日には空気が澄んで見晴らしが良くなります。 内房では富士山が見えたら間もなくシケ、太平洋岸では伊豆諸島がクッキリ見えたら間もなくシケと言われますので富士山がきれいに見える朝はパドラーとしてはガッカリします。
しかし房総から見る富士山はなかなかです。 海の上に浮かぶように白く雪を被った姿がはっきりと見えることは稀ですが、風が吹いた日の楽しみのひとつです。


亀ヶ崎の夕日 そういう日は夕日もきれいで今月は素晴らしい夕日を何回も見る事が出来ました。
せっかく海に来たのに漕げなかったとしても「せっかく来たのだから」と無理をして海に出るのではなく、気持ちを切り替えて海岸やその日ならではの景色を是非楽しんでみてください。



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