海上ではウミスズメが時々プカプカと浮いています。
ウミスズメは大抵はのんびりと海上を遊泳している事が多いのですが、餌を獲る時には意外と機敏に泳ぎ回ります。
どうやら仲間同士で追い込み漁のような事もしているように見えます。
多分そのためにいつもある程度の群れを形成し横に並んでいるのではないかと思います。
写真の23日には今までに無く多くのウミスズメを見る事が出来ました。
場所は館山湾の中央辺りで、広範囲に群れが点在していました。
更に頻繁に群れが忙しなく飛びながらあちこちで移動していました。
ウミスズメが急いで飛んでいく先には沢山のカモメ類がホバリングをしながら海面上を舞い、鳥山をつくり、その下には別のウミスズメの群れが餌を獲っている真っ最中でした。
つまりどこかの群れで餌が見つかるとウミスズメが潜行しながら餌を獲りはじめ、その様子を見た上空のカモメ類がそこに集り餌を横取りしようとして騒ぎが始まります。
遠く離れた海面にいる他のウミスズメにもその様子が見えるようになり「そこに餌有り」と判断し移動するという繰り返しが行われていたという訳です。
広範囲に群れが点在しているので、この連鎖があちこちで続き餌を得る確率が高くなっているようでした。
間近でカウントできた最も大きな群れは写真の26羽ですが、緩い結合の10羽くらいの群れが他の群れと合流しては離散する、そのルール(?)がなかなか謎でした。
追い込み漁をする上で餌生物の群れの大きさとウミスズメの群れのサイズは関係があるのかも?とも思いました。
またある程度のサイズの群れで散在している方が広い範囲を監視できるので餌が得易い利点があるのでしょう。
カモメはウミスズメを脅かして時々おこぼれをもらっていましたが、空から様子を見ているカモメがいるお陰で周囲のウミスズメは餌を得る可能性が高いので、カモメの多少の悪さはウミスズメも諦めているのかもしれません。
ウミスズメに混じって2羽のウトウも餌を獲っていました。大きな体で群れにさりげなく混ざって餌を追っている時もありました。
ウトウを今月18日にやはり館山湾で7羽見ていましたが私は今まで見た事が無く、この時が初めてでした。
冬には関東沖にも来ているのが普通らしいので今まで運が悪かっただけなのだと思います。
結局この日はウミスズメが多すぎて完全にカウント出来ませんでしたが少なくとも50羽が視界の範囲に普通に見られ、遠くに見えるいくつかの鳥山の下にもウミスズメがいるとすれば多分100かそれ以上のウミスズメが館山湾にいただろうと思います。
これから先もこういう経験を出来るか分かりません、運が良かったです。
陸では春らしく菜の花が最盛期であちらこちらで黄色い花が見られますし、花畑では鮮やかな花が咲き始めています。
テレビの旅番組で南房総が頻繁に紹介される季節ですね。
海の方はまだまだ本格的に冬ですが、それでも徐々に暖かく漕げる日が増えてきて春の到来を感じられます。
園芸種と違い厳しい環境にある海浜植物はもうしばらく春が来るのを待ってじっとしていますが、水中の植物は一足早く春を迎えてグングン育っています。
岩場ではヒジキや下の写真で岩に密生している茶色いコケのハバ海苔が伸びてカヤックで岩場に上陸するのに助かります。
ヒジキの収穫はもう少し先ですが、ハバはあちこちで採取が行なわれています。
ハバは収穫が大変な為か大変高価で一枚500円前後で売られています。
汁物に入れたり、炙ってからご飯にふりかけて醤油をかけて頂くと美味しいです。
水中ではそろそろワカメが育ってきました。
ハバやヒジキは漁業権がうるさいので採れませんが、ワカメは打ち揚がったものは採っても大丈夫です。
お味噌汁に入れたらとっても美味しいです。
天気予報で館山の最低気温と最高気温を見て頂くと分かりますが、ほとんどの季節で最低気温は東京より低く夜間は案外冷えます、しかし最高気温は東京より高いので朝着ていた上着が日中には邪魔になります。
南房総の春は早いですが、ツアーで早朝に館山に到着される場合には暖かくしてお越し下さい。
お知らせ
「KAYAK〜海を旅する本」Vol.23
1月末日発売
店頭希望小売価格=840円(税込み)
藤田連載の「カヤック乗りの海浜生物記」はストランディング編です。
どうぞ宜しくお願い致します。
購入御希望の方は写真をクリックしてください。
詳しくはこちらのページをご覧下さい。
http://www.skz.or.jp/koichi/kayak/index.html
過去の日記一覧へ
|