カヤック日記


2009年4月の出来事!



イワタイゲキ 海岸も花が咲き揃い春らしくなりました。 館山のとある海岸では大きなイワタイゲキの群落で花が満開になりました。
ハマエンドウ、ハマニガナもびっしりと咲いていますし、スナビキソウも花が咲き始め、ほんのりと香りが漂い始めました。 月の後半になってハマヒルガオも咲き始め、海岸は様々な色で埋め尽くされてきました。

ただどこの海岸も、というわけではなく残念ながら多くの護岸された海岸では海浜植物の花を見る事が出来なくなってきています。 人が利用する為の便利な海岸と海浜植物にとって良い生息環境の条件は相反している為、人が海岸に手を加える事で今まで当たり前に生えていた海浜植物はあっという間に無くなってしまいます。
更にハマボウフウなどのように食利用されるものは採取を控えなければ環境的な圧迫とともに無くなっていく可能性があります。

富津の中洲


海岸の植物については海浜植物のページをご覧下さい。

特にきれいなこの季節には是非ツアーで実際に見ていただきたいと思います。
スナビキソウにはそろそろアサギマダラもやって来る事と思います。 5月の自然観察ツアーではアサギマダラのマーキングも行ないます。 是非、海浜植物の生息環境の実状を見て頂きながらチョウと遊んでみてください。

今月は徐々に暖かな凪の日も増え、のんびりダラダラ漕げる日が増えました。
凪ぎで無いと見つけ辛い背ビレのないイルカ、スナメリを探しに今年も時々富津方面に通っています。 しかし今のところ全く遭遇できずにいます。 その数からすれば遭遇できる可能性はかなり低いので、私としては気長に…と続けています。

富津に行くと引き潮の時間にできる中州に上陸するのが楽しみです。
その中州はほぼ完全に貝殻だけで出来た中州なのです。 東京湾のど真ん中に出来る真っ白な貝の島が注目されないのは勿体無い感じがします。

ここに来るのはカヤッカーか海鳥くらいなもので、富津岬から歩いてくるには危険ですからいつも独り占めです。 富津周辺の海はこれからの季節はプランクトンの増殖で濁りますが、この島は通年同じような姿を見せてくれますのでチョイ漕ぎで訪れるにはお勧めです。
ただし周辺は潮の流れが早いところもありますので十分注意が必要です。

空中で行なわれるハヤブサの餌の受け渡し



2月の日記から毎度のハヤブサですが、どうやら雛が孵ったようです。 まだ小さく巣の外からはほとんどその姿が見えませんが鳴き声は徐々に大きくなってきています。

また親鳥は頻繁に餌を運び大変な働きようです。
オスは餌を探しに出かけ、戻ってくると大声で鳴きながらメスとなにやら叫びあいながら巣の近くの上空で餌を受け渡しを行ないます。
メスはその餌を近くの調理場へ運び、その後巣に戻って雛に与えるという事を繰り返しています。 写真は餌の受け渡しです、オスがポイッと落とした餌をメスは上手に掴まえます。
今シーズンは随分通い詰めていますが、通えば通うほど愛着が沸いてきて雛が見える時が待ち遠しい今日この頃です。



大シケの館山塩見 シケの日も凪の日も海を見て歩くのは楽しいもので、海そのものを撮って歩くにはシケの方が楽しいくらいです。
写真の好きな人にはツアーが中止になった場合も、是非館山に来て頂いて写真散歩をお勧めします。 大シケの日には波飛沫、舞い上がる砂でカメラが傷むとは思いますが、そういう時でなければ撮る事の出来ない海の姿を収められます。
そうやって海を見て歩くだけでも海を知るという事にも繋がりますね。

左の写真はいつも凪のイメージの強い塩見の海岸です、背景は沖ノ島。 この日は10m以上の西風を浴び続けデカイ波が砕けていました。









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