カヤック日記


2010年3月の出来事!


巣から飛び立つハヤブサ(12日) 今年もいつもの場所で(たぶん)いつものハヤブサ夫婦がソワソワし始めました。
巣の周りで小枝を持って来ては巣のベッドに足したりと繁殖活動を始めたなぁ…と思ったら、数日後には巣の奥で留まっていたりしています。 もう卵があるのでしょうか?
今年もヒナが見られる日を楽しみに遠巻きに様子を観察しに通いました。

ハヤブサの巣から出てきたトビ(28日)











ところが28日に観察に行ったところ巣の周りにはハヤブサが見られず、よく見ると巣内で1羽がウロウロしています。 あ〜なんかやってるのかな?と見ていましたが、よく見ればそれはなんとトビでした!
そのトビはその後もハヤブサの巣に入っては出てを繰り返していました。 その嘴には小枝があり、どうやらハヤブサの巣からベッドの材を失敬しては50mもないところにある自分の巣に運んでいます。 しかしハヤブサが繁殖活動中にそんな大胆な事ができるのでしょうか?
その後もしばらく見ていましたがハヤブサは戻ってきません。 今年の繁殖は諦めたのでしょうか? その日以降まだ観察に出かけていないため分かりませんが、もうしばらく様子を見てみたいと思います。

館山城より見た館山湾





ところで館山にはまもなく大きな桟橋が完成します。
桟橋は自然で不規則で柔らかい館山湾の美しい弧を寸断するように真っ直ぐに沖に伸びています。 個人的には「絶対に」欲しくなかったものですが、完成して使ってみれば「なかなか良いな〜」なんて思えるようになるのでしょうか?
そもそもそれほど使い道があるのでしょうか???

これ以上、海の上に直線はいらないなんて思うのは間違っているのでしょうか?
今までも館山港から北条海岸にかけての海岸線はあまり漕ぐ気になれませんでしたが、この桟橋が出来た事でますます足が遠のいてしまいそうです。


新舞子海岸 少なくとも館山湾が「カヤッカーの漕ぎたい海ランキング(そんなの無いですけど)」において順位を下げたのはまず間違えありません。 ですが…それはカヤッカー(私?)の感覚が変だからでしょうか?

館山道が南房総まで貫通し、のどかで不便で旅情のある海岸沿いのクネクネした下道を使わなくなった現在、富浦インターで初めて南房総に降り立つ都市部から訪れる人々には最近の館山がどんな風に見えるのでしょうか?

「案外発展してて便利だし小奇麗な海岸だな」と「のんびりした田舎の海を期待していたのに…」というふうに大きく意見が分かれそうです。 前者の方には三浦半島か湘南がお勧め、後者の方には穴場が残っています。 穴場は実はもう少し戻ったところにポツポツと見つかります。

高速が南端まで通った事でその途中にある海岸は開発が(良い意味で)遅れ、砂浜に変なデカイ突堤や桟橋は無く、しかも海岸の人出も少なめです。

シロチドリ 富津市の新舞子海岸などは館山よりもずっと首都圏に近い上に海岸は写真(上)のような素晴らしさです!
なんだ館山まで行く事無いじゃん!という感じです。

これは本当に残念なことですが、自然との調和に興味を持たない自称観光立市、館山の先行きが心配です。
のんびりとした自然に満たされた南房総館山の海岸は過去のものになってしまうのでしょうか。 それともこれ以上の海岸改変をやめて、むしろ自然の状態にリセットするような事業を推進するような展開を向かえる事ができるのでしょうか?

そんな館山の桟橋を横目に北上すると最近では富浦、岩井、勝山、鋸南、富津の海岸に羨ましさを感じます。
これは昔、私が南房総に通い始めた頃に東京から南下してきて館山や白浜に着いた時に感じた気分と同じようなものです。
ほんの十数年で南北が逆転してしまった気分です。




東京湾を背景に飛ぶトビ 人間専用に作り変えられてしまった一見すると生物の気配の無い海岸でも密かにシロチドリ(写真上左端)が訪れたりしてくれます。
犬の散歩の人にさえソワソワするような小鳥ですが、場所をうまく使い分けて逞しく子孫を繋いでいます。

間もなく繁殖シーズンですので海浜植物の隠れ家がある海岸に見られるようになるでしょう。
特に孵化して間もなく親鳥と一緒に歩き始める雛にとってはそういう条件は大切です。

直線こそが文明の証と思い込んでいる人間の創作物にハヤブサもトビもシロチドリも貴重な繁殖地を追われています。
同じようにカヤッカーも本当に楽しいパドリングの機会を失いつつあるのかもしれません。








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