7月の日記
でご紹介した個体識別に成功したイルカたち、その後私の探索頻度が下がったとはいえ、なかなか見つからないと思ったら群れが縮小した様子です。
御蔵島のイルカ研究会「御蔵島イルカチーム(Mido)」によると、なんと伊豆半島東岸でこのうちの少なくとも1頭が確認されたとの事。
御蔵島→伊豆大島→南房総→東伊豆という移動経路が確認されました。
この移動経路の中に南房総が含まれているという事が本当に嬉しく、これからどういう意味をもってくるのかと考えるととても楽しみになります。
これらのイルカが今後どういう道筋を辿って行くのかに注目が集まっています。
今のところ南房総からは西進を行っていますので普通に考えると、そのまま伊豆半島を越えて更に西に向かう可能性もあるでしょう。
伊豆以西のカヤッカーの皆さんには是非これらのイルカを見つけていただいて撮影に望んで頂きたいと期待しています。
背びれが撮影できれば房総の時と同じようにその群れの中での個体識別のベースができます。
更に水中での胴体撮影が成功すれば他地域で確認された個体との照合に制度を高めることができます。
広角にレンズを設定して水中にカメラを突っ込んで大雑把にイルカに向けてシャッターを押せば案外写せるものです。
たとえ小さく写っているだけだとしても今の高解像度デジタルカメラであれば間単に拡大し十分役に立つ解像度を得られるでしょう。
また私が行っているようなエスキモーロールでの撮影方法もありますが、今回のイルカたちはどちらかというとカヤックフレンドリーではないために、水中にドボンした時の音に驚いて逃げ去ってしまう可能性があります。
とりあえずは様子見でカメラだけ水中に入れるのが良いかもしれません。
また沖合いでカヤックから離れて泳ぐのは危険な場合が多くお勧めできません。
御自身の経験度に伴ってご自身で判断して観察、撮影をお願いします。
またイルカがある地域に留まった場合にカヤック、マリンバイク、シュノーケラーなどが多く訪れ、観光に関わる人には喜ばれる場合があっても地元漁師の方々には迷惑と思われる可能性があります。
イルカそのものも漁の邪魔になると思われてしまうケースが多い上に人までが海に多数現れればトラブルが起きる可能性がありますので、地元の方々にはくれぐれも迷惑にならないようにイルカとの対面を楽しまなければなりません。
それは結果的にイルカに長く居てもらう最も簡単で効果的な方法でしょう。
彼らが西に進まずに、また伊豆から南下して御蔵島に向かうというルートを取ったならそれもまた面白いことです。
彼らのこの長い旅がどういう意味を持っているのか、いつか分る日が来るでしょう。それが今からとても楽しみです。
写真は本文と関係ないですが10月の南房総の海辺の風景です。
ススキが風に揺れ、真っ赤なクコの実がなり、夕日がきれいな季節です。
また一年で最も南房総が静かになる季節でもあります。
水温が下がり始め貝殻もきれいなものが打ちあがっています。
静かで空いている秋の海岸でビーチコーミング、おすすめです。
お知らせ
「kayak〜海を旅する本」Vol.38
10月末日発売
店頭希望小売価格=840円(税込み)
藤田連載の「カヤック乗りの海浜生物記」はS「みんな迷って生きている」編です。
どうぞ宜しくお願い致します。
購入御希望の方は写真をクリックしてください。
過去の日記一覧へ
|