12月になると海は本当に静かになります。
静かというのは人の気配という意味での静けさの方です。
海の方はむしろ騒がしくなり、風やら波やらでいつもざわついています。
この状況、実は海鳥を見る者にとっては好都合で、いつもなら散歩の人が放した犬に怯えて落ち着かず飛びまわっているチドリも人気の少ない浜では鳥は落ち着いていて、見ている方もなんだかホッとした気分になります。
海が荒れていることでいつもは沖に暮らす鳥が岸寄りの入江で休んでいたり、カモメ類なども餌が獲りにいけずに港で集まって休んでいたりもするので、写真の撮りやすい状況が多くなります。
ただし観察には寒さに対する多少の忍耐力を要しますが…。
今月は特にミサゴ、シロチドリ、ミユビシギを良く見ました。
カモメ類はなんだか例年に比べ少ないように感じますが、カウントしているわけではないので印象のレベルでの話です。
風が強い日が多かったので、いつもは沖に暮らすミツユビカモメが港や入江に避難してくるのを期待しましたが逢えずじまいでした。
ミサゴは魚類のみを食べる猛禽類で、沿岸や河口に見られます。
南房総にはほぼ岬毎に見られ、カヤックで行くと簡単だけれど徒歩では行けないような海食崖の中腹などの木にとまっているのをよく見かけます。
海上では餌を探しながら岸に沿って時々ホバリングしながらゆっくり飛ぶ姿が見られます。
水面近くに泳ぐ魚を見つけると急降下して鋭い爪のある足でしっかりと魚を捕らえ、お気に入りの木の上などに行ってからじっくり食べています。
ミサゴも人の少ない冬には河口のある砂浜海岸に遠征する頻度が高まるように感じます。
冬になると空気が澄んで、それに伴って景色の鮮やかさが増すようです。
特に夕日はとてもきれいで、寒さも忘れてしまいます。
写真を撮っていれば夕日の落ちる速度はいつも以上に早く感じられ、刻々と姿、色の変わる様子を焦るように撮ってしまいます。
すごくきれいな夕日に遭遇した時には撮影する事に集中しすぎて、撮り終えた時には「あ〜もう少し肉眼でちゃんと見た方が良いな…」と思ったりを繰り返しています。
珍しい動物を観察する時もそうですね、ついつい写真優先にしてしまいます。
やっぱり写真はこうやって共有しあえるので自分だけで楽しむ以上の喜びを得られますから、つい頑張っちゃうのでしょう。
そんなわけでこの12月に撮ったお気に入りを並べてみました。
鳥がいて、花が咲いていて波がザワザワ言いながら夕陽がジュワ〜と沈んでいく冬の南房総を写真で楽しんで頂けたらと思います。
そしてもし時間が出来たら一度冬の南房総にも遊びに来てみてください。
な〜〜んも無いなんてことは無いはずです。
是非!
※写真にはそれぞれ簡単な解説を入れてあります。カーソルを写真上に持ってくると表示されます。
カヤックツアーについて
結局2012年度もツアー中止のまま終えました。
お客様には大変御迷惑をお掛けしておりますが、未だに余震の続く状況ということから催行を見合わせています。
これだけ休むというのも例外中の例外ですが、今回の20110311地震から続くこのような高頻度の余震の中でシーカヤックツアーを行なうという判断自体、前代未聞の経験ですから状況に応じて慎重に対応する、という方針です。
きっと2013年には再開!と願っておりますので、どうぞよろしくお願い致します。
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