写真:房総から見る富士山。冬は空気が澄んで特に良く見えます。
冬が近づいてきて空気が澄んで、水も透明度を増し、しかし風は冷たすぎず、水も冷たすぎず、変わりやすい天気に様々な雲が浮かんで夕日はひどくきれいです。
シーカヤックを漕ぐには最適な季節になりました。しかし自転車にも適しています…。
どちらを漕ぐか迷ってしまう季節になりました。
写真:満開のイソギクに飾られた海岸沿いの小道。
ただ日中にはあまり潮が退く季節ではないので、砂浜を漕ぐことは少なくなります。
その代わりに房総ならではの、のどかな海岸線の田舎道を楽しんでみます。
最近では南房総でサイクリストに会う機会がとても増えていて、挨拶を交わしながらすれ違う事も多くなりました。
またクルマと比べると自転車では土地の人に声をかけられたりすることも多く、地域の面白い情報を得ることも多いのが良いところです。
カヤックもそうですが、多人数の団体行動に比べると少人数での行動の方がそういう機会が増えます。
更に環境負荷の軽減や素晴らしい環境をよその人とシェアしながら楽しむにも少人数での行動は優れていると考えています。
そういう事もあってシックスドーサルズでは1日1グループ最少1人から最大4人までという少人数でツアーをやって来ました。
この程度の人数であればウミウの群れやミユビシギが見れる距離も近くなりますし、ほとんどみんなが同じものを見て体験を共有する事が出来ます。
もちろんおひとりで参加して頂ける場合には、ご自分のペースで漕ぐ事が出来、土地の環境も人も抵抗なく受け入れてくれる感じがすると思います。
おひとりでもどうぞご遠慮なくご参加ください。
写真:カヤックならではの穴場で休息。
しかし本当はフィールドにはひとりで行ってみるのもお勧めです。
生物はひとりの人間にはあまり恐怖を示しません。
鳥を見るなら特にそうですが、例えば草木や波を見るにもひとりの方がいろいろ気づくという事が多いと思います。
海や自然と対話するというような大げさな話でなく、ひとりでいる事で単に集中力が増すのではないかと思います。
そうすると安全に対する意識も変わってきます。
自然に対するには例え身近な海岸を散策するにも現代生活では忘れがちな安全確保について頭の片隅に置いて行動する必要がありますが、複数でいるとつい安心感が増してしまい用心を怠る場合があると思います。
特にシーカヤッキングなどでは他人に頼れることには限界がありますから、複数で行動していても個々が自身の安全確保について責任を持つという考えが必要だと思います。
ただツアーではその辺りを大枠ではガイドに任せる事が出来るので、その余力で自然をじっくり観察したり、いつもよりも長い距離や厳しい状況を経験する機会になると考えてもらうと良いように思います。
自分の限界を探ったり、ひとりでフィールドに出る準備としてひとりで参加して頂く事でバックアップを得ながら単独行の疑似体験して頂く事が可能です。
もちろん複数でフィールドを移動し経験を共有することは素晴らしい事です。
ひとりで出かける機会が増すとむしろその楽しさは倍増し、他の人から吸収できることも多くなるように思います。
また多くの眼があること、注目するものの違いという事から、ひとりでは目に入らなかったものが見られるようになるという事もあるでしょう。
写真:風が当たりにくい場所を選んで休息中のミユビシギ。
話は変わりますが、南房総市の白浜地区の海岸道路にはこの土地の代表的なランドマークである野島崎灯台に模した街灯が並んでいます。
この街灯は電柱に設置されるLEDの街灯に間もなく置き換えられます。
理由は聞いていませんが、海岸線という厳しい環境に立っているため老朽化が見られますし、電力消費量についても考えたのだろうと思われます。
この灯台型の街灯はウミガメの産卵と子ガメの帰海に問題があったため、ウミガメ調査の重点地区としている根本海岸に光が漏れる街灯に関しては低圧ナトリウム灯という電球に交換してもらうという事をしたことがあります。
※詳しくは2005年4月の日記をご覧ください。
今回、この地域の街灯もLED化されることになり、近くに住んでいる知り合いなどが役所に話してくれたおかげでウミガメへの配慮として海側へ光が漏れないようにひさしを付けることになりました。
先日、南房総市の担当の人と現地でひさし取り付けの必要がある街灯について確認をしました。
その際、根本海岸沿いに限らずそれよりも東に広がる産卵地を照らしてしまっている街灯についてもひさしを設置するよう要望しておきました。
ただし予算の関係でしょうか、ひさしを付けられる数にもある程度制限があるようですが、出来るだけのことをしてくれると約束してくれました。
少しでも海岸が暗くなり、ウミガメが自然のままの行動を行えるようになれば来シーズン以降は光害の少ないウミガメ産卵地を持つ町として白浜町も自信を持って広報できるようになるでしょう。
写真:根本海岸の道路に並ぶ低圧ナトリウム灯に球替えされている街灯。右下が海。
海辺に白灯を並べるのは海の生きものの生態を狂わす可能性がありますから漁に関わる人にとっても良いことでは無いはずで、また貴重な海浜植生にとっても良い事ではありません。
夏になるとこの街灯に集まってはドブに落ちて、ある希少な昆虫が毎年死んでいたりもします。(採取者への対応として種名は省いています)
そして何より日が落ちれば釣り人以外は人が来ない海岸道路をそれほど照らす必要があるのだろうか?と考えると電気代、設置する費用だけでも無駄を感じてしまいます。
できればLED化の際に数も最小限に減らしてくれると良いのですが、電柱に付けるタイプになることからむしろ数が増しそうです。
館山市の北条海岸の明るさもちょっと異常ですが、白浜町の夜間の人の往来数を考えればこちらも必要性に疑問を感じます。
光害というものがこれほど知られるようになった現在に時代を逆行していくのを見るのは残念な事です。
それでもウミガメの為にひさしを付けるという決断を役所がした事と、何より地元の人がそれについて意見を役所に投げかけてくれた事は大きな前進と考えて良いと思います。
私も微力ながら、これからもこの素晴らしい海岸線の環境がせめて今を維持できるよう願って活動していきたいと思います。
写真:様々な雲が毎日繰り返される日没の姿に個性を与えます。
過去の日記一覧へ
|