カヤック日記


2016年2月の出来事


市街地の電線に留まっているミサゴ。




















写真:市街地の電線に留まっているミサゴ。

先月はいろいろ忙しかったですが、今月は特に大きなニュースもなく過ごしました。
月末頃に館山市沿岸でミンククジラが見られたという情報がありながら見に行くことが出来ずに過ごしたりはしたので、巡り合わせが無かっただけかもしれません。
猛烈な風の日が多かったですし、DIYに勤しんでいる事もあって沿岸の陸にいる事が多かったのですが、ミサゴは時々探しに行きました。
しかし強風で海が時化ていると水面が模様ガラスのようになって魚が見つけ辛くなるでしょうからミサゴの出動も減ってしまいます。
海辺に行ってもミサゴが見つかりません。
そんな時、諦めて帰宅する帰り道など身近で意外なところでミサゴに出逢えることが幾度かありました。
ミサゴミサゴ…と気にし出すと目に入って来やすくなるようです。
海辺だけで個体識別して行動範囲把握していくうえで内陸の通過点のポイントもそれで少し押さえることが出来ました。
これを続けて行けばますます遭遇率が上がり、観察の可能性も高まりそうです。

こういう通過点が個体毎のお気に入りなルートなのか、ミサゴ共通の好みによるルートなのか興味深いです。
繁殖のシーズンに入りましたから、海からどこへ帰って行くのかを良く見ておく事で営巣地点も分かるかもしれないと期待しています。
しかし、個体識別がなかなか難しいという事を写真が増えれば増えるほど感じています。
こんなに多数の個体がいたのか???
それとも同個体が別個体と記録してしまっているのか???
時間をかけて眼を肥やすしかないようです。
ですので、個体識別を基盤とした結果はまだ出せませんが、7.4q離れたところでどうやら同じ個体と思われる写真が見つかり、またそれは1年ほど経ってから撮影した写真であった事から、少なくとも1年は翼の模様があまり変わらないという事を示している様です。
他には確認位置と進行方向から内房と外房を山を越えて採餌に利用している可能性も出てきました。
我々カヤッカーも岬の裏表を風向きで使い分けますが、ミサゴも海面の状態が良い場所を選ぶために風裏を使うのかもしれません。

同じ場所で幾度か逢ったノスリ。































写真:同じ場所で幾度か逢ったノスリ。

内陸でクルマを走らせたりしているとミサゴが気になっている眼には猛禽類が自然に飛び込んできます。
館山にはノスリも多いのですが、この写真のノスリは私の良く通る道で何度か出会いました。
恐らく同個体だと思います。
エサが豊富な場所で狩場にしている様子でした。
人里で暮らすノスリはトビ同様に人をあまり怖がりませんので、結構近くで見ることが出来ます。
つぶらな瞳とモコモコした羽毛が可愛らしく、獰猛さは微塵も感じられませんでした。
しかし猛禽類が電線に留まっていると、なぜカラスはちょっかいを出しに来るのでしょう?
恐らくそばに巣があったりするのでしょうが、大抵ジッとしているだけのノスリやミサゴは落ち着いて休むことも出来ずにいます。
猛禽類の繁殖の季節になりましたので、そろそろいつものハヤブサにも会いに行かないといけません。
今年はハヤブサの子が見られるでしょうか?

大時化の日には夕焼けと大波の写真を撮るのが楽しみです。
夏の台風から届いた波とはまた違った迫力のある春の波は何度見ても飽きませんし、いくら撮っても完璧が無いのでついつい撮りすぎてしまいます。
波だけや夕日だけを撮っても、もちろん素晴しいのですが、やはり生き物が写り込んでいる方が好きなので、その景色の中に生物が入り込んでくれるのをいつも期待しています。
やはり普通そういう時にフレームに入って来てくれるのは鳥で、特に冬はウミウの群れが感動的です。

ウミネコと夕陽




















写真:ウミネコと夕陽

そういう数十羽の群れがきれいなVの字で飛んで行く所に遭遇すると、ついその下にいる人間と比較してしまい人間の生活があまりに醜く見えて悲しくなったりします。
特に市街地上空で群れに遭遇した時にはそうです。 鳥は恐竜の子孫だという事ですが、そういう時にはやはり今でも地球で最も繁栄している生物なんだと思ったりします。
「繁栄」は数だけでなく、力だけでもなく、脳ミソの大きさでもなく、その生き方の美しさや洗練の度合いが表しているのじゃないかな?と鳥を見て考えてしまいます。
話が逸れてしまいましたが、海で夕焼けを待っていると日が落ちる頃になって鳥たちが岸に沿ってどちらかに向かっていくところをよく見かけます。
特にウミウとカモメ類ですが、日が落ちるギリギリまで餌を捕っていて夕日が落ちる頃になって寝床と決めているところに帰る途中なのでしょうか?
夕日の前を横切るのは大抵彼らです。

また水平線に目を凝らすと小さな点が水面に沿って流れるようにうねるように見える事があります。
大抵はオオミズナギドリのようですが、彼らは日が沈むのもお構いなしに飛び続けています。
海岸ではイソヒヨドリが何をするでもなくまるで夕日を眺めているのだろうか?というような様子で佇んでいたりします。
夜になってから彼らがどうしているのかを、考えてみると良く知りません。
あれだけ身近なイソヒヨドリがどこで寝ているのかも知りません。
カモメ類が寝ていそうなテトラポッドや堤防はあったりしますが、多分水面に浮かんで夜を過ごす個体の方が普通なんだろうと思っています。
寝る時には翼の中に頭を突っ込んでしまえば、そこが家であるという生活。
ミニマリストどころではありません、やはり鳥は究極に洗練されていると思います。

MTBツアーでの寄り道。平砂浦の広大な砂丘の名残を見学。




















写真:MTBツアーでの寄り道。平砂浦の広大な砂丘の名残を見学。

風が強い日は海だけでなく陸もなかなか大変ですが、自転車はルートをよく考えれば追い風をうまく利用して楽に楽しめる事も多いです。
自転車は人間が考えた乗り物の中では比較的シンプルで早く楽に移動できるように良いバランスで考えられていると思います。 カヤックの次くらいに素晴しい乗り物だと思います。 ミサゴのように風向きを考えて風裏の海岸線を漕げば意外と漕ぎやすいですし、この季節の海岸はとても静かです。
潮もよく退く季節ですから海岸漕ぎには最高の季節になりました。
最近は週末になれば驚くほど多くのサイクリストが南房総にやって来てくれるようになりました。
自転車はかなりブームなんですね、南房総でもやっとそれを実感できるようになりました。
多くはバリバリのサイクルウェアーに身を包んだ細いタイヤのロードバイクの人達で道路は賑わっています。
カッコいいですし、素晴らしいペースで走っているので感心しますが、見ていると折角の南房総の景色を楽しめていないように思えます。
ちょっともったいないので、シックスドーサルズのMTBツアーではクルマと競争する必要のない砂浜や静かな漁村などの裏道をのんびり楽しんでもらっています。

少人数で走っていますから気が向いたらちょっとみんなに声をかければ寄り道もすぐ出来ます。
というか寄り道がメインです。
「わ!野良猫がかわいい!」というだけで止まったっていいんです。
ミサゴがいたら観察して、貝殻が沢山あったらビーチコーミングして、咲き始めた海浜植物の花があれば撮影会…。
友達だけのグループですからルートも気分や疲れ具合ですぐに変更できますから、とても気が楽です。
「どこからどこまで走破する!」というためのサイクリングではなく、しかしレンタサイクルで漕ぐような気まぐれ漕ぎでもなくというバランスで楽しんで頂いています。
一方、お好みによってマウンテンバイクならではの道なき道ルートも基礎的な講習を交えながら漕いでもらう事も可能です。
ちょっとした段差や砂浜の漕ぎ方のコツなど少し練習してみると想像以上に走れる場所が増えてきます。
結果的に普段、自転車を漕ぐ際の安全にも繋がることもあります。
上空を飛んで行くウミウの群れほどに洗練されるのには少し時間がかかるとは思いますが、人間も自転車で少しウミウに近づけたらいいですね!

浅瀬の水の色は磨いたアワビの色




















写真:浅瀬の水の色は磨いたアワビの色




 



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