写真:白浜の海岸線で育っていたシロチドリの雛.
ただ飛べるようになるまで生き延びる確率はかなり低い.
この6月はいろいろありました.
特に根本海岸のシロチドリ,コチドリの繁殖に関する事です.
それらの多くはX(旧Twitter)などで投稿していますので,以下に引用しますが,南房総市の対応の鈍さ,自然物への無関心の度合いには30年ほどの時代を遡って1994年辺りの時代に話をしているのだと思わなければ,あまりの時代感覚のズレに「普通」がどこにあるのかと感覚がおかしくなりそうです.
詳細もどこかでまとめたいですが,根本海岸の環境改変を発注している商工観光部観光プロモーション課,そしてそれを管理すべき立場である建設環境部環境保全課の現場監督が見られない状況,もしその加工を発注したのなら,どのような設計を指定して行われているのか?現場を見ていると建設業者が主導となって改変を行っているのではないかと見えます.
そもそもあのようなキャンプ場の設計を誰が好んで進めているのか?そもそも顧客側の需要を理解しているのか?実際にあの段差の高さ,角度を登るのは難しく結局は土嚢を利用して階段を作っている場合が多いうえ,その土嚢は置き去りにされる場合が多い事に,今これを書いているキャンプ場の運営が終わった8/20に改めて感じます.
そして何より,その加工がウミガメの産卵に明らかに悪影響がある事,シロチドリ,コチドリの繁殖にも大きく影響している事を今回,南房総市の上記2課へパソコンで写真を見せながら明瞭に伝えましたので,来年以降,そのような影響を低くするための検討を進めるのか.それとも今まで通り現場では建設業者が主体となって絶滅危惧種の繁殖地の大幅な加工を継続していくのか,必要に応じてこちらから進言しながら見守りたいと思います.
ひとつ付け加えておきたい事があります.
私が根本海岸の加工の仕方について自然物への配慮を求めている意味が「キャンプ場反対」や根本に人が入るのを禁止した以下のように勘違いされる場合があるかもしれません.
全くそうではなく,人が根本海岸に十分に注意を払いながら利用する事で,むしろウミガメやチドリの保護は進むと考えています.
近隣には誰も自然物に配慮していない状態で加工され,しかも無造作に利用されている海岸がかなりあります.
これらは利用頻度が根本キャンプ場のように高くない事,その海岸延長が長い事で問題が緩和されていると見ていますが,根本キャンプ場に関しては積極的な観光誘導を行って,繁殖地でキャンプ宿泊が高密度で行われる事,以前には光と音の大きなイベントが行われている事,それらを進めるためにシロチドリとアカウミガメという絶滅危惧種の繁殖シーズン真っただ中に海岸を重機で十分な調査をせず大改編を繰り返してきた事,そこが問題ということです.
写真:根本キャンプ場の問題を代表するもの,カラスの乗る電柱,海側に光を放ち子ガメを誘導してしまうトイレの窓,繁殖期の地形改変.
自然物に配慮して適切に計画的にデザインされたキャンプ場を設計し,何より適切な時期にそれを行う配慮が無ければ将来的にキャンプ場運営と南房総市の発注した工事により根本海岸のシロチドリ,コチドリ,アカウミガメの繁殖が途絶えたとされかねない事,更には同海岸に生息する希少な海浜植物の状態を悪化させてきた事が近い将来に問題となる事を懸念しているわけです.
現代では自然の破壊が未だに進んでいる面がありますが,一方では元の姿に戻す事を進めていく事が始まっています.
元に戻したら経済はどうするのか?と考える人もいるかもしれませんが,元に戻すにも建設業はじめ様々な事業が必要になります.
作る時にも儲けて,戻すにも儲かるのだから,そんなに良い事は無いでしょう.
その転換に早く気付いた自治体や業者がこれから強くなっていく事も十分に想像が付きます.
未だに破壊をしている事で有名な場所に観光しに行く人はいないでしょう.
移住する動機にも影響するのは間違いありませんから,凄まじい速度で過疎化へ進む南房総にとっても考えずにいるわけにはいかない事柄と言えます.
「先進」の意味を未だに「=開発」と,昭和の戦後の流れのままで続けていると手遅れになるでしょう.
キャンプ場運営と希少生物の生息と,更に言えば持続可能な地域経済をも考えて市が行動しはじめなければ南房総は自然から崩壊し,それが生活に波及することで立ち行かなくなるのは明らかです.
まずは絶滅危惧種の繁殖を毎年妨げながら今の時代にまだそれを続けている根本海岸の環境改変の事実は明らかなのですから,そこから変えてゆかなければならないと考えています.
根本海岸を南房総の縮図と考えれば良いと思います.
最初に手を付ける,最近なんだかよく使われる「実証実験」の場と考えても良いでしょう.
自然物を護りながら暮らす方法を考え始める場所として,そこから全て始めれば将来的に自然を求めて移住してい来る人々が増え,漁業,農業といった自然と折り合いをつけて生きていく必要のある人々の発想の源にもなるでしょう.
もちろん私も知り合いの漁師さんにいろいろ教わっていますが,大変な量の実際的な知見を基にしたお話が聞けますから,そういった自然に密に接している方の意見を十分に市が吸収しそれをフィードバックする能力を育めば今すぐにでも大きく変わるはずです.
海のことを知らない市の職員が全ての生物の生命の基盤である海を自由に改変したら大変なことになります.
今がまさに,南房総だけに限らない日本のと世界の将来の人々にとってかけがえのない自然海岸という財産を失う瀬戸際にあると感じます.
南房総市へ絶滅危惧種の繁殖地としての根本海岸の利用の仕方についてご意見をお持ちの方は是非,南房総市
「市長への手紙」
https://www.city.minamiboso.chiba.jp/0000008044.html へ投稿をしてみてください.
以下本文にもありますが,私の知り合いのカヤッカーの方が既に手紙を書いて下さっていて返事含め南房総市のホームページに
掲載
されています.
ネット上でも「南房総 シロチドリ」と検索するとトップにヒットするようになっており,ご意見と市の対応を残す良い方法になりそうです.
是非ご検討ください.
写真:根本海岸の本来的な姿が垣間見れる東端のエリア.
キャンプエリアの端である事で重機による加工とキャンプ利用がほぼなく,海浜植生が広がる中にシロチドリ,コチドリが巣を作り,雛は植生にすぐに隠れられる安全を得ながら豊富な漂着物の中に餌生物を探すことが出来ます.
良く見るとコチドリの巣の為に囲いがしてあります.
以下は今月のX(旧Twitter)投稿より引用し追記します.
投稿日が投稿内容の観察日ではない場合もあります.
2日
野生において親っていうのは大変な仕事ですね.
ほんと命がけ.
写真1:人やカラスが来る度に抱卵を中止し巣を離れ敵の気を惹いていたコチドリの親
写真2:ジッと隠れるように姿勢を低くして抱卵中のシロチドリ
写真3:潮間帯で採餌している雛×2を連れて警戒中のシロチドリの親
当日の投稿
4日
想像以上の反応いただき,少し驚いています.
中からは気づきにくい,変わりにくいところもきっと沢山あるので,外から見た南房総の自然に対する気持ちをどんどん投稿する方が増えると必要な所に声が届いて良さそうだなあと感じました.
よろしくお願いします!
元投稿より引用
「館山市はこういう海岸が静かに残っているという事を誇りに思うべきだし,しっかりと意識して保存していくべき時期に来ていると思います.
今まではなんとなくたまたま残って来た素晴らしい場所の姿が物凄い速度で変化しています.
換金目的でなく自然が残っていた事の幸運自体を意識的に保存するべき.」
元となった2024/5/13の投稿
当日の投稿
6日
コチドリの語源は東風鳥ではないか?と思い立ったのでメモ。
ここのところ良く吹いている春から夏に吹く東風を「こち」と言いますが、まさにその頃に日本に戻ってきて激しい目立つ擬傷行動で人目を惹く鳥としてコチドリとなったのでは?
風に敏感な漁師に最も身近な存在だったということもありますし。
そのうえで小さなチドリという意味と間違えて一般に広がり、その仲間の種にチドリという名称が使われて千鳥という漢字があてられたという経緯を想像。
それに東風鳥と書くと小千鳥よりなかなかカッコイイ。
先日はチドリは地鳥では?という案も書いてました。
とにかくチドリの語源が気になっているところです。
当日の投稿
写真:館山湾内の海岸線で地元のIさんにより発見され囲いが設置され護られた場所で抱卵するコチドリ.
チドリの繁殖に興味を持って保護をしてくださる方が少しずつ増えてきています!
7日
来週金曜日です!
「海岸生物に配慮した次世代ビーチクリーンの可能性〜南房総の砂浜海岸に生息する絶滅危惧種を含む貴重な動植物〜」
開催日:2024年6月14日(金)
開催時刻 開場(受付):18:45 開始:19:00 終了:20:30
参加費:無料
予約:不要
駐車場:有
会場詳細:
パタゴニア・サーフ千葉
当日の投稿
9日
コチドリの巣の近くを歩く野良猫を目撃.
長年猫を飼っていましたが猫が卵を食べる(食欲を感じる)イメージは無いのですが,むしろ擬傷行動して逃げ遅れそうな親鳥が心配.
当日の投稿
9日
そういえば昨日,グンバイヒルガオを見つけたのでメモ.
ここは2017年の台風の異常高潮で小群落が消滅した場所.
埋もれていた種子からの発芽かも.
当日の投稿
11日
シロチドリの雛を今日は確認できました.
無理して探さず,見えるところにいれば遠巻きに記録するという感じです.
蜃気楼でゆらゆらな上に超トリミングな写真です.
ご近所で営巣中のコチドリ父さんとシロチドリ父さんは大ゲンカしてました.
それを楽し気に(?)見ていた雛さん.
当日の投稿
写真:コチドリの卵を持ち去るハシボソガラスの子.
親と兄弟が近くで様子を見ていました.
その中で親鳥はパニックになりながら擬傷行動を激しく行っていました.
14日
今日は悲しい場面に遭遇.
根本海岸で5月30日に卵を発見したコチドリの巣で全ての卵4個がカラスに捕食されてしまいました.
我々が見たのは最後の2個が捕食される場面で,その後巣を見たところ卵が残っていませんでした.
根本海岸の電柱はやはりカラスがチドリの行動を観察しやすくするためにあるようなもので,今回の巣も電柱が並ぶすぐ下でした.
電柱とカラス,チドリの繁殖の関係はヒトの活動が関係していると言えるので,完全な自然界の出来事ではなく,電柱撤去も急ぎ解決していきたいと今日は強く感じました.
この電柱は私が知る限り30年以上前からあり,キャンプ場の街灯とライフセーバーの詰め所に電力を送るためのものですが,2019年の台風の際にいくつも倒れ,立て直されたものです.
その時に地中化もしくはソーラーパネル化と街灯の減数化(ウミガメにも良くない)などを提案出来たら良かったのですが.
これらにどれくらいお金がかかるのか調べて,市に打診の上でクラウドファンディングという想像をしています.(市には出せないと思われる為)
クラファンをすることで,こういった海岸沿いの人工物が捕食者の偵察台になってチドリなどの捕食の確率を高めている可能性を知ってもらう機会にもなりそうです.
根本海岸はアカウミガメの産卵地でシロチドリが複数組毎年営巣するという絶滅危惧種が2種も必ず繁殖に来るという,海岸そのものが絶滅危惧レベルの凄い環境なわけで,それがヒトの活動のしかもレジャーの為にこれだけ無配慮に加工されている状況がおかしいと考えるべきと思います.
当日の投稿
15日
昨夜パタゴニア サーフ千葉で開催頂いたスライド講演イベント「海岸生物に配慮した次世代ビーチクリーンの可能性〜南房総の砂浜海岸に生息する絶滅危惧種を含む貴重な動植物〜」 は無事終了致しました!
ご来場頂いた皆様,スタッフの皆様,本当にありがとうございました!
当日の投稿
写真:根本海岸の西のキャンプエリア外で見つかったシロチドリの巣の囲いと親鳥.
ヒトの生活との距離に関わらず対応次第で共生が可能な種と感じます.
17日
※千葉科学大学野生動物系グループ@ciswildanimal12の引用リツイート
「私達が調査している付近は、車両や人も行きかう場所です。もちろん天気・捕食者も関係しますが、この時期の海岸や河川、駐車場などは、 足元に #小さな命 があるかも!と、少し気を付けていただけると嬉しいです。」
南房総では個人の海岸への出入りより,役所が行っている重機をも伴った海岸作業の方が危険頻度が高いという状況です.
どうにかしていかないといけません.
当日の投稿
17日
5/4に館山湾内の海岸でコチドリの繁殖が確認され,6/5に情報を得て雛を確認していたのですが,その後なかなか観察に行けずにいたら雛がもう飛べるようになってました!
発見者さんが卵発見5/4,雛×3確認5/19,知り合い経由で情報を頂いたのが6/5で現場に行くとやや育った雛が3羽確認できたのでした.
ちなみにこの海岸に隣接するダイビングサービスの方が発見者との間で情報を取り次いで下さったうえに、その後の見守り、海岸清掃の方への注意喚起までして下さいました。
お陰で頻繁に通わなくても安心していられました。本当にありがとうございました!
日本で産まれたコチドリがフィリピンまで下り越冬する事が分かっています.繁殖地を抱える国の責任は重いです.
彼らと生活を共にする近隣居住者が国などに任せず,生態を認識し対応する事でご近所さん(二拠点生活?)である生き物を護ってあげられる役割があると思います.
「日本の河川で繁殖する渡り鳥、 渡り時期と越冬期の利用環境は水田だった!〜内陸を移動する渡り鳥に対する水田の重要性を示唆〜」東京都市大学
当日の投稿
23日
雨ですがウミガメ調査は毎日です.
レインウェアはもちろんパタゴニア!
毎日行かないといけないのは母ガメの足跡で通過経路記録を重視している為なのです.
こういう日はチドリの方は一応見ておく程度にします.
雨の中びしょ濡れで必死に抱卵したり雛を守ってる親鳥にも迷惑ですし.
写真の背景の港はウミガメ調査などにご理解いただき,いろいろ良くして頂いている砂取港.
今日も雨の中声を掛けて頂きました.
貴重な情報も!
当日の投稿
写真:数日のうちに急速に環境が変わってしまい餌場,隠れ場,休息場を失ったと思われるシロチドリの雛.
繁殖期に海岸環境を大規模に改変する事で雛の餌を採る量の減少,捕食される確率の高まりについて数値化できれば良いのですが,大変難しい.
20日
野鳥好きの方へ拡散のお願い。
千葉県南房総市の根本海岸で重機による海水浴場とキャンプ場整備が6/24(月)から入る事になりました。
絶滅危惧種シロチドリの巣が2カ所の保護囲いを撤去して巣の位置のみ示すよう指示がありましたが親鳥が抱卵しており卵さえ踏まなければ良いという状況ではありません。
これから数週間そういった状態が続きます。この機会に根本海岸で絶滅危惧種であるシロチドリに対し毎年どういった問題が生じていたかを見て頂きたいと思います。
またひとりでも多くの方々がその状況を知ることが大切と感じています。
ご感想も是非投稿して頂けるとありがたいです。
週末は作業が休みの場合もありますが、重機の作業痕で十分に状況が理解できるようになります。
過去には巣(卵)から数メートルで作業を行った経緯もあり、作業が最優先されます。
南房総市は現場管理を行っていません。
夏休み期間の間、全面がキャンプ場となり海水浴場が併設されます。
キャンプ場運営は今年から保護に前向きに進める話になっていますが、主な問題は重機による事前整備です。
これまでは6月中の繁殖期の只中に整備が入っていましたが今年は遅らせたようです。
南房総市はこの問題について無関心です。
根本海岸はここです。根本海水浴場(Google map)
作業期間中入口は一応閉ざされますが、西側に民営駐車場があり、そこからアクセスできます。
作業期間中も波打ちぎわを歩くことに問題はありません。
当日の投稿
20日
大変多くの反応を頂き,ありがとうございます!
昨年度までの根本海岸の整備状況の一部写真を貼っておきますので,ご参考にしてください.
事前の生物及び希少海浜植生についての調査はされていません.
例年は6月からのウミガメ産卵調査の際にチドリの繁殖も記録していましたが,今年度は春先から始めたところ多数の卵が見つかりました.
画像は今年のチドリの巣の記録です.
過去何十年重機が入っていた6月までにこれだけの量の巣があったとすると,いったいどれほどの雛と卵が死んでいたのでしょうか.
黄色は本日卵がなくなっており,赤矢印だけが残存している巣となっています.
全巣発見できてないかもしれません.
水色は川.
生物の特に希少種の繁殖状況を詳細に公開するのは良い事ではないですが現状それよりも問題が大きいのでご紹介する事にしました.
西の川の西側は基本重機が入らないエリア.
黄色矢印の本日卵が無くなっていた巣では卵が1個6mほど移動して転がっていました.捕食者が落としたかと想像しましたが,周囲に棒が立ててあり人が何か関わった状況で気になりました.
真相はまだ不明です.
当日の投稿
本日20日の状況をYouTubeにアップしました.
ちょっと画像の状態が良くないですが,ご参考にしてください.
5-6月20日までに根本キャンプ場内で確認したシロチドリとコチドリの巣の状況記録 南房総市根本海岸 2024年6月20日(YouTube)
21日
現時点で整備予定区域に卵は無い状態となっていますが,雛連れがおり,産卵しそうな状況の番もいて明日明後日で産卵の可能性が十分あると考えています.
残っている巣では親鳥が抱卵していますので,長居せず十分離れて移動をお願いします.
また雛連れにも負担の無いよう波打際の移動でお願いします.
本日(21日)は南房総市役所で根本海岸の整備に関わっている観光プロモーション課の担当,環境保全課の担当と根本海岸の問題点と状況の改善を要望してきました.
すぐに変える事は出来ないという点だけは明瞭に言って頂けました.
これまで20年以上ウミガメの産卵地としても問題を抱えながら変わって来なかったので,そのつもりでチドリに関しても根気よくやっていきたいと思います.
アカウミガメとシロチドリの2種の千葉県最重要保護生物の繁殖地である海岸がこのような状態で保護指定というものの意味はどこにあるのでしょうか?
当日の投稿
23日
月曜からの作業と聞いていましたが,昨日土曜から作業が入りました.
そのうえ巣の囲いを作業者が撤去していました.
囲いの中に卵があるかの確認のため入った事,卵さえ踏まなければ良いという指示があったとも確認.
既に卵が捕食された囲いについては時間を作って本日撤去する予定でした.
そんな中,新たなシロチドリの巣が見つかりました.
かなり海側に近い位置で昨日は観光客が10m以内にテントを設置しているという状況でした.
しかし海岸整備期間中に囲いなどで保護する事を禁じられましたので,目印レベルの棒2本と看板しかありません.
巣の近くを通らないようにお願いいたします.
リボン付き金属棒以外はカラス用のフェイクです.
カラスは人が設置物も目印にして巣を探索している様子があり,卵近くでの明瞭な目印設置は危険な事が観察出来ています.
3日前にも卵が捕食される場面に遭遇しましたが,作業者が囲いを取り除くにあたって作った目印(棒×3)で卵が囲われていました.
当日の投稿
写真:白浜の別の海岸で見つかった巣×2.
赤矢印がシロチドリの巣,黄色がコチドリの巣,歩数で7歩という近さ.
本当に条件が良い場所ではこのような密度で他種同士でも繁殖が行われる場合がある例.
つまり巣を作るのに好ましい条件は意外と限られているという可能性があります.
23日
今年も館山市の海岸松林に農薬散布が始まります.
観光の方には当然告知されていませんので,ご注意ください.
ヘリコプターによる空中散布ですので海風になった場合は内陸側に多少なりとも飛んできます.
南房総市の海岸でも松林がある場合,別の日程で散布されています.
平砂浦(Google map)
当日の投稿
23日
スゴイ風でしたが,雨がやんでからちゃんとウミガメ+チドリ調査行ってきました.
昨日発見した根本のシロチドリ巣はこの風の中,親鳥がいなくて,あまりにお腹が空いてツガイでご飯中なのだろうか?と思って近づくと卵がありませんでした.
発見の次の日に卵がなくなったのは初めてで最短記録です.
その後別の海岸で海藻があまりに多く打ちあがっていて波打ち際を行けないので植生の中を草を避けつつ自転車を押していたところ,真正面に巣が出現.
最近こういうパターンで引き寄せられたかのように真正面に巣が見つかる場合が多くなってます...
海岸を歩き終えた後は根本区のキャンプ場運営に関わる方々への根本海岸の生き物勉強会でスライド見て頂きながらお話ししてきました.
予想以上に質問が沢山出て嬉しかったです!
根本区民の郷土愛の現れですね.
郷土愛の愛の対象にそこに棲む生き物も加えてもらえそうです!
あとは南房総市ですね...
当日の投稿
24日
今年もオカヒジキがかなり広がった某所貴重な海岸.
ありそうでなかなかない.
そんな海岸.
2021年8月に発見し,一旦消滅しながら今年また同所に発芽したグンバイヒルガオも元気でした.
当日の投稿
25日
今日はカメラを落としてしまいました.
いつも長めレンズ一眼と全体風景やマクロ撮る用のコンパクトの2個を持って歩きますが,落としたのは小さい方.
一眼の方で通り過ぎてきた方角を撮影してあったので,見てみると落としたカメラが写っていて画像上で発見.
行ったらそのままありました.
目立つ色のストラップはやっぱり必要ですね.
当日の投稿
写真:近年特に砂丘上のエリアは完全に加工され,海岸中央部もほぼ完全に重機で均される為,そこに卵や雛が隠れていても気づかず踏みつぶしている可能性が十分にあります.
また市は重機運用者が予め歩いて卵などの有無を確認したうえで作業を行っていると言っていますが,実際の状況で随時確認を行っていない状況を確認しています.
そもそも雛が隠れている場合にそれを見つけることがどれほど難しいか作業者全員が理解し,実際的に訓練されているわけではないという問題もあります.
そして大前提として繁殖期に繁殖地でこのような急速な環境改変を行う事で繁殖を妨害しているという問題があります.
26日
あまりいろいろ書きませんが写真からそれぞれご感想して下さい.
作業中現場の中には立入禁止とありますが,その現場の中にシロチドリ(絶滅危惧種)のまだ飛べない雛がいます.
写真は作業が行われていない時間帯の状況です.
このシロチドリの雛は産まれて間もなくから数週間過ごした海岸をやっと熟知し始めた頃だと思いますが,一日でこれだけ環境が変わってしまっては隠れる場所,餌がある場所を改めて探す必要があり,そのうえ常に高速で動く複数の重機に対応して逃げ切る事に精一杯になっているのではないかと思われます.
自宅周辺を予告なく空爆された人と同じような状況でしょう.
そんな場所でやっと歩けるようになった子供を抱えた家族の心境を想像します.
投稿にある写真は重機通過痕の中にあった無数のチドリの足跡.
餌生物になりそうなものは見当たらず,ここで何が起きたのか大変気になりました.
全ての巣(卵)をこちらが把握できていない可能性がありますので,その点が大きな問題です.
当日の投稿
27日
今日,根本海岸に捕食され棄てられた様子のチドリの卵が落ちていました.
水辺に近いところで見つかりましたが,産卵された位置は分かりませんでした.
今まで営巣に使われてきた多くの場所が地形を変えられており,産卵に適した場所がとても少なくなっている状況です.
何があったのでしょうか?
この卵は,そのままにしました.
南房総市は事前に卵を探したうえで作業を行っていると言っていますが,この卵には気づくのでしょうか?
また「野鳥の会へ報告」は実際に行われていないようですし,卵の囲いを作成しているのは当方だけです.
当方が「野鳥の会」とされてしまっているのでしょうか?
この手紙を市に出してくださったのは南房総市在住の知り合いの方です.
当方のSNSでの投稿を見ていて心配になってとのことでした.
本当にありがたかったです.
以下に引用します.
「根本マリンキャンプ場の絶滅危惧種の保護について 初版公開日:[2024年03月06日]更新日:[2024年3月6日]ID:20181
昨年、インターネットで根本マリンキャンプ場が開かれる海岸は、県が指定している絶滅危惧種のウミガメとシロチドリの繁殖地であることを知りました。毎年キャンプ場として重機で砂浜を整地するため、ウミガメやシロチドリの卵やヒナが知らないうちに犠牲になっている可能性があるそうです。
太平洋に突き出た房総半島の南端は、地理的に海辺に生きるものたちにとって非常に重要な繁殖地となっていると思います。
人間によって絶滅の危機にあるウミガメやシロチドリを今救えるのは南房総市の対応だと思います。
南房総市が誇る豊かな自然を、そしてウミガメやシロチドリと共存する海岸をぜひ未来につなげるご対応をお願いいたします。
回答
根本マリンキャンプ場の管理運営は、市と地元の根本区とで協定を締結し、根本区が指定管理者として行っております。また根本海水浴場は条例に基づき南房総市で安全確保、事故その他の危険発生防止に必要な施策を講じているところです。
毎年キャンプ場として重機で砂浜を整地するためウミガメやシロチドリの卵やヒナが知らないうちに犠牲になっている可能性があるとのことですが、整地する業者は、作業前に整地場所を歩いて、ウミガメやシロチドリの卵やヒナがないか確認してから作業を行い、卵等を発見した時は業者から地元の野鳥の会に連絡をしています。また、キャンプ場を管理運営する根本区では、キャンプ場開設期間中にウミガメやシロチドリの卵を発見した時に、同じく地元の野鳥の会に連絡をし、野鳥の会で卵の周りをロープで囲い看板を立てて対応しています。
毎年整地する地表は固いため、ウミガメやシロチドリはそこには産卵せずに、離れた柔らかい砂の近辺に産卵することがほとんどです。
今後も根本マリンキャンプ場は、ウミガメやシロチドリと共存できるよう関係者、団体とで協力し連携をとりながら管理運営してまいります。
なお、千葉県ではアカウミガメ、シロチドリは「A最重要保護生物」に分類され、環境省では、アカウミガメは絶滅危惧IB類(EN)、シロチドリは絶滅危惧II類(VU)として公表しています。
(問い合わせ先:商工観光部観光プロモーションン課 電話:0470-33-1091)」
南房総市ホームページ
写真:囲いの中で抱卵するシロチドリのメス.
囲いの材料は金属の棒と海岸に打ちあがっている竹,そしてトラロープです.
囲いの周辺で人が歩いても親鳥が卵を放棄しない範囲として直径数十メートルの範囲で囲うのでかなりの材料を使います.
改めて読んでみると「毎年整地する地表は固いため、ウミガメやシロチドリはそこには産卵せずに、離れた柔らかい砂の近辺に産卵することがほとんどです。」とあって,誰がそのような調査実態を記録しているのかと言うと,これも当方だけなのです.
あたかも市がやって熟知しているかのような文面です.
もう一つ言うと,その地表が固いのは毎年重機で整地してしまうからであって,更に過去には外から持ち込んだものを地面に広げ固めたからなのです.
それでウミガメやチドリは産卵に適した場所を多く失いました.
ここはずっと昔は貝殻だけの砂浜だったそうですし,私の知る30年前でもほぼそうでした.
その昔,根本海岸でどれほど多くのアカウミガメとシロチドリが産卵に来ていたのかを思うと,私が調べ始めるより前に誰も記録を残してくれなかった事が残念です.
当日の投稿
今日(28日)時点での根本海岸の状況をYouTubeにアップしました.
もう少し幸せな話を投稿したいですが,今はこれで手一杯です.
根本海岸 海水浴場整備状況 2024年6月28日(YouTube)
根本海岸へ来られる方は作業現場内(ただし不明瞭)立入禁止とされているので,ご注意ください.
また海岸で採餌中の雛を連れた親子のチドリがいる場合があります.
出来るだけ波打ち際を歩き,植生内には入らないようお願いします.
チドリは犬をとても怖がる為リーシュを付けて短めにお願いします.
投稿にあるのは1カ月前の根本での写真.
シロチドリの親♂が産まれてそれほど経っていない雛×2を見守っています.
6/30現在,もう少し育った雛が海岸のどこかにいます.
絶滅危惧種で無かったとしても繁殖が地面で行われているのですから,鳥獣保護法を前提に考えても十分に配慮して然るべき海岸と思います.
この小さな雛が親の給餌を受けずに自分で餌を探して歩きます.
こういう雛の姿を観察していると,海藻や植生の隙間などに隠れているまま重機で踏み潰されてしまうという悲惨な姿がどうしても浮かんでしまいます.
根本海岸の整備状況では十分に起こり得ることです.
当日の投稿
写真:片脚をケガか先天的に使うことが出来ず片足でケンケン状態で移動していたシロチドリの雛.
親鳥は健常の雛を連れている時とは明らかに違う対応をして護っていました.
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