写真:このような原生自然に近い海岸線が所々にさりげなく残されている南房総の貴重さに気付いてほしいのであります.
更新がどんどん遅れてきていて、これを書いているのは4月後半です。
今年は「南房総うみはま研究会」を始めたことで、毎月の「うみはま勉強会」の準備や、同時にハードディスクの老朽化に伴って2000年代初頭からの写真データの移行管理で時間を消費したり、どれもじわじわと少しずつ進めている状況です。
そんな中でもこのブログはまさにウェブ上のログとして私自身が実際的に活用していることもあり欠かせないもので、月毎の写真整理から始め、選り抜き、最近ではX(Twitter)が日々の記録を残す場所にもなっていることから、そこからの引用とともにアップする準備をします。
SNSも情報記録には便利ですが検索の不便さや、いつサービスが終了するかわからない不安定さなどの心配がありますから、やはりこのブログがないと後々にその時期に起きたことを再確認するのがなかなか大変になってしまいますので継続していきたいと思いますので、少し遅めの情報ではありますがよろしければまた読みに来ていただければと思います。
うみはま勉強会は4/23現在第4回を終了していて予定通り月に1度のペースを保てています。
参加者はまだまだ少ないですが、小さな会場で参加者の方とちゃんとお話をしながら進めていける感じが良く、このまま小さなサイズで継続していけたらむしろ良いかもしれないと感じています。
たいていは大きいことは良いこととされ、小さいことは失敗という感覚の世界ですが、うちのカヤックツアーも参加者の安全と、伝えたいこと、楽しみを十分に伝えるために最大催行人数4人というサイズで行ってきましたので、うみはま勉強会も元々のそういう私の好みに合った状況といえます。
勉強会の方もツアーと同じくリピーターの方に支えられていく感じの状況になってきており、ツアーの時と似てる感覚があります。
参加はその時々で自由ですし、これからも毎回時間が合うときに気楽に参加していただけると嬉しいです。
今後もどうぞよろしくお願いいたします。
また、まだご参加していない方のご参加お待ちしております。
南房総うみはま研究会についての詳細はホームページを開設してありますのでご覧いただければ幸いです.
南房総うみはま研究会リンク
以下は今月のX(旧Twitter)投稿より引用し追記します.
投稿日が投稿内容の観察日ではない場合もあります.
写真はいつも通りこの月に撮影したものを文面の流れとあまり関係なく貼ってあり,それぞれ説明を入れてあります.
4日
昔の写真の整理が続いています.
この時投稿したのは2008年暮れに館山市街の海岸道路を横断しようとしていたコアホウドリ.
出勤時間帯に海岸の道路にいてクルマの通行に影響が出ていました.
道路を呑気に歩いている姿はアホウドリと昔の人が名付けたのも少し分からないでもない状況でした.が,やっぱり酷い命名ですよね.それにしても素敵な鳥でした!
当日の投稿
10日
また古い写真の投稿です.
今は無き館山沖ノ島(沖島)灯台.
島の木々の緑と青空に映える良い感じの可愛い灯台でした.
撮影は2005年9月.
我が家の壁に貼ってある1995年版のヨットチャートにはまだ灯台があります.
いつなくなったのか忘れていたので試しに検索してみると2009年と書いてあるサイトがありました.
灯台のサイト面白そうです.
Lighthouse-japan.com「2004 館山港沖ノ島灯台(廃止)TATEYAMA KO 34 59.5 N 139 49.4 E M6449 Tateyama Okino Shima (abolished)」
当日の投稿
写真:この冬にシロチドリとミユビシギに混じって冬を越したダイゼン2羽,これに近縁種のムナグロ1羽も加わり群れ全体の警戒役を果たしていました.
11日
観音崎自然博物館研究報告たたらはま No. 28(2024)にふたつ掲載して頂きました.
「グンバイヒルガオの越冬繁殖分布の北限新記録と千葉県南部における生息状況」藤田 健一郎・藤田 直子
「東京湾で採集されたホウズキイカ(軟体動物門,頭足綱)」山田 和彦・藤田 健一郎
観音崎自然博物館研究報告たたらはま
グンバイヒルガオの方は館山で初めて発見してから20年になるので,いいかげんそろそろ...と思っていたものをこの機会にまとめました.
記録した数が多くて,いろいろとなかなか大変でしたが,編集の方と査読者の方のお陰でなんとかなりました.本当にありがとうございました.
本ホームページ内お知らせのページ内でのご紹介
イカの方は館山湾内で発見したものを同館の山田和彦さんに郵送して調査報告となったものです。
館山、南房総の海辺に暮らす生き物の生き様を少しでも人間界に記録して置くことが彼らの限られた生息地保全への基本的な作業と考えて、これからも記録報告を継続していきたいと考えています。
当日の投稿
17日
ブログ更新致しました.
2024年11月のカヤック日記です.
http://6dorsals.com/column/column.htm
Bloggerにも掲載してあります.
https://6dorsals.blogspot.com
スマホで表示に不具合がある場合は横画面でお願いします.
掲載写真は南房総で越冬中のダイゼン.
当日の投稿
20日
日本ウミガメ協議会から今年もウミガメ会議の冊子が届きました。
今年も産卵と漂着の情報を共有したので、それで毎年送ってくれるものです。
しかし今年はとうとう産卵も上陸もゼロという悲しい記録が載ることとなりました。
実際には根本海岸以外は私の体調不良のため例年よりも後半の調査努力量がかなり下がっているので、それも影響しているはずです.
その点はウミガメ協議会には伝えてありますが、表には反映されないので、よその人が見たら南房総で何が起きたんだ?と思われそうです。
しかし根本海岸は確かにゼロだったので、やっぱりマズい状況。
本来優れた産卵地であるはずの根本海岸の使い方について、生物多様性の意味が誰でも分かる時代に合った使い方を考え直すべきとウミガメが言っているような気がします。
次はシロチドリがゼロとならないようにしたいと思っています。
同時に自身の健康管理をしっかりしないとフィールド記録を正しく残せないという当たり前でなかなか難しい課題にも前向きに対応しなければならないと感じています.
当日の投稿
23日
正月に漂着したザトウクジラがやっと移動して埋められるとのことで見学してきました.
陸送は初めて見るのでいろいろ勉強になりました.
なんで死んでしまったのかなあ...と今回も思いました.
自然界での出来事なら自然な事ですが,ヒトの生活が影響していたりしないかなといろいろ気になるのでした.
追記
イルカ,クジラ,ウミガメもですが漂着時に情報をSNSに載せないようにしています.
何故かというとそれらの骨格や体表に見られる寄生生物までもが近年コレクション対象となっており,へたすると売買へと繋がる場合もあるようで,採取者のモチベーションが非常に高まっていると現場を見て懸念している為です.
私自身もそれらの標本には興味がありますし,直にそれを現場で見たり博物館で見る事の有意義さ,楽しさは理解しています.
ただ漂着クジラに関しては標本の保持は昔と違いややこしい問題がありますし,そもそも現場で手袋もせずに腐敗した野生動物を触る事の心配もあります.
またこれらの生物の調査を研究機関が行おうとしているその前に標本そのものである漂着生物の状態が変わってしまう事での調査情報の欠損が生じる問題が最も大きな心配となっています.
発見してすぐに,それらについて興味のある人々に伝え,それを現場で実際に観察する貴重な機会を共有できずにいる事がなんとも勿体ないことなのですが,今のところ仕方がないと感じています.
今回のクジラも処理がされるまでの数週間も情報をインターネット上に流せずにいました.
一方では通りすがりの人や近所の人はSNSなどでも拡散していた様子です.
こういう野生動物の死骸の扱いについてもう少し分かりやすく自治体や博物館等の公の団体が広く一般に示していく必要があるのではないかと感じています.
当日の投稿
写真:1/6.
年末にはこの場所の沖で既に長らく漂っていたとの地元了漁師さんの話でしたが,水温も気温も低い時期なため少なくとも外見上は鮮度が良い感じです.
ただし膨らんでいますので内臓が腐敗しガスが生じています.
写真:1/7.
以前漂着した同じく千倉でのザトウクジラでは漂着後に再度沖に流れ出し行方不明となった例があったので,調査が未定だった段階で状況が気になり毎日のように通いました.
漂着場所の全体像はこんな感じで再漂流はありえなさそうですが,以前のケースではもっとあり得なさそうだったのに流されていきました.
主には風向き次第です.
写真:1/7.
ザトウクジラの尾ビレ.
尾びれの模様で個体識別される事が良く知られている種ですが,漂着の場合は皮膚の状態が悪く判別は出来なさそうなものが普通です.
写真:1/13.
日が経つにつれて皮膚がどんどん剥がれていく中,カラスやトビが皮を食べに来ていました.
以前の例では大型カモメ類が集結するケースもありましたが,なかでもシロカモメが特にクジラの皮に強い執着がありました.
写真:1/22.
腐敗が進むにつれて脂が滲み出ていたのですが,それを食べに来たと思われる小魚(おそらくトウゴロウイワシ)が潮があげてくるとかなり集まって,岩にこびり付いた脂を突いていました.
そしてその小魚を食べるためにクロサギが毎日やって来ていました.
写真:1/23.
やっとクジラが処理される日が来ました.
クレーンで吊り下げられ,大型のトレーラーダンプに積載し千倉市街を抜けて千倉の砂浜へ運ばれました.
写真:1/23.
クジラが埋められる場所へ下ろされていきます.
背景は南千倉海水浴場.
南房総には様々な場所に多数のクジラが埋葬されています.
24日
古い写真を整理していて2012年に南房総市の海岸で撮影の写真にスナハマハエトリを見つけてビックリしました.
私自身の本種発見は2021年の館山市での遭遇が初めてだと思っていたのですが.
当時は今以上にクモのことは知らなくて図鑑もなく同定をお願いできる人もいなかったので未同定のまま埋もれてさせてしまっていたのでした.
この時から調べていれば...
そもそもスナハマハエトリは2018年記載なので当時の図鑑には載ってなかったので,もしクモに詳しかったらむしろ謎が深まってたのかもしれません.
まだ新種でも無かったわけですから新種記載できた可能性も?
「千葉県南部におけるスナハマハエトリの分布」藤田 ・藤田 観音崎自然博物館研究報告たたらはま No. 27(2023)にも館山で2021年初記録としてましたが,訂正ですね.
その後,28日にもまたスナハマハエトリの写真が出てきました...
今度は2010年でメス.
じわじわ思い出してきたのですが海浜植生を観察記録していると小さなクモとか虫がいろいろいるのですが,小さすぎて動きも早くちゃんとした写真が撮れないので,「こういう小さなものを撮れる良いカメラないかなあ」とこの頃思っていたのだった.
当時主に使っていたデジタル一眼のマニュアルマクロレンズでは追いきれなかったのでした.
同時に使っていたコンデジのマクロも動く対象を撮影するには不十分でした.
当日の投稿
26日
この日の館山は毎年海岸遊びは禁止の日です…
何故なら館山市の海岸線が隅から隅までマラソンコースとして閉鎖されるからなのです.
実はこのマラソンコースは西岬と館山で言われるエリアの住民はほぼ終日に亘って家から出かける事も出来なくなります.
マラソンコースにして喜ばれるような素晴らしい景観の海岸線道路であり自慢になるのだということは確かなのですが,たった一日と言えども住民の生活と知らずに訪れた観光客の予定を変えてしまう事に配慮すればこのルートはありえないと感じています.
ともあれこの季節に知らずに遠くからお越しのご予定の方は予めマラソンコースとその通行止めスケジュールについて十分ご注意下さい。
当日の投稿
28日
「令和6年度 千葉東沿岸海岸保全基本計画(案)に関する意見募集について」と「令和6年度 東京湾沿岸海岸保全基本計画(案)に関する意見募集について」というぱぶうりっくコメント募集が期限2025年2月17日となっていました.
千葉の自然海岸が好きな人は県内県外在住に関わらず思いを伝えた方が良い機会です.
「令和6年度 千葉東沿岸海岸保全基本計画(案)に関する意見募集について」,「令和6年度 東京湾沿岸海岸保全基本計画(案)に関する意見募集について」期限2025年2月17日.
南房総うみはま研究会としてではないですが,コメントを提出し,内容はホームページに掲載してあります→
南房総うみはま研究会HP内「おしらせ」のページ
当日の投稿
写真:シロチドリなどの越冬群を観察する機会が増え,これまでの双眼鏡では間に合わず望遠鏡を始めて導入しました.
カウントや行動を観察するにはとても楽になりコンデジを当てて情報記録程度の撮影も可能で,今まで動き回って記録していたスタイルでは邪魔になると感じて装備候補から排除していたのは勿体なかったかなと感じています.
28日
また唐突に過去のお話しですが.
御蔵島→館山→寄り道→御蔵島という周回7年物超長期旅行をしたイルカがいるって案外知られてないですよね?
館山の人にも是非知ってほしい!と思い投稿しました.
引用「今日紹介するのは、雷雲(#451MA)と名付けられたミナミハンドウイルカです。お腹に雷雲のような黒いしみがあるのがわかるでしょうか?この個体は2009年の発見を最後に御蔵島周辺から移動しており、2010〜2012年に館山沖(6 dosals Kayak Service 藤田様より)、2013年に神子元島(海遊社 須田様より)での発見が確認されています。昨年は鵜渡根島(高縄様より)で発見されていましたが、今年になって7年ぶりに御蔵島に戻って来たことが確認されました。 一度島を出たイルカが再び島に帰ってくるのは、midoによる調査が始まって以来5例目となります」
Mido 御蔵島イルカチーム (Mikura Dolphin Team) Facebook 2016年8月29日
当日の投稿
29日
「南房総うみはま研究会」を今日からスタートしました!
「研究会」っていうとなんだか重いですが,楽しく誰でもが自分なりの研究が出来るようになれば身近な自然を自分で理解して解明していくという事が普通の楽しみとして広がるきっかけになるかもという思いで名付けました.
南房総の海辺の自然に関するものの中でも,特に磯と違って生物の棲む場所としてあまり注目されていない砂浜に主眼を置きたいと考えています.
それで「うみはま」と浜を強調した名称としています.
南房総の砂浜と,そこに暮らす生物を見る眼が増えれば南房総の砂浜は自然と護られていくと考えています.
2/22(土)に1回目の勉強会を館山で開きます.
ホームページをご覧の上で参加希望お願いいたします.
専門に既に詳しい方よりも海の自然に興味が湧いてきてた入口にいて海にもいろいろ興味のある方向けな内容にしたいと考えています.どうぞよろしくお願いいたします.
「南房総うみはま研究会」ホームページ
当日の投稿
29日
ところで今回ホームページを公開して思った事は「小学生にも大人にも」と謳いながら小1では読めない漢字がいくつも書いてあるということでした.
今時WEB上なら翻訳でどこの国の記事も読めるのに自国語で書かれていても読めない層の存在に気づきました.
年齢設定自国語翻訳をGoogleに装備してほしい.
例えば翻訳設定を小3にすれば小学3年生が既に習っている漢字のみ使用した日本語に変換してくれるということです.
漢字が苦手な人や,いくらか日本語が出来るけど漢字はまだ少ししか分からないという外国の人にも良いかも.
海外の言語でも同じような問題がありそうですよね.
当日の投稿
写真:館山市街を背景に魚を探すミサゴ.
重要保護生物扱いの鳥が普通に見られる環境が「普通」ではないことを市民は知らずにいて,そのことが大切なものを気づかずにどんどん失っていくことに繋がっていると感じます.
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