カヤック日記


2018年7月の出来事



昨年の台風21の高潮の影響か急に数が減った日本固有種ヤマトマダラバッタ。




















写真:昨年の台風21の高潮の影響か急に数が減った日本固有種ヤマトマダラバッタ。

結局、例のハヤブサの巣立ちを確認することができずに7月が終わってしまいました。
気になっていましたが、きっと無事巣立っただろうと思うことで納得してしまいました。
しかしやはり、過ぎてしまうと、なんとか時間を割くべきだったかな…という気分になってしまいます。

ウミガメの方はハヤブサのように考えるわけにはいかず、毎日欠かさず出かけました。
台風も2回ほど影響がありましたが、現地に出向くことには問題ありませんでした。
今月の産卵状況は
7/18根本 産卵痕跡あり、7/18根本 産卵痕跡あり、7/24白子 産卵痕跡あり、7/26平砂浦 産卵痕跡あり
の4件のみですが、白子では他に他の方が確認し柵などを作成してあったものが2か所ありました。

コチドリのヒナ。ひたすらジッとして敵(今回は私)が去るのを待ちます。ササッと撮影してすぐ立ち去ります。もし見つけても絶対に拾いませんように。親は少し離れて見守っています。













写真:コチドリのヒナ。ひたすらジッとして敵(今回は私)が去るのを待ちます。ササッと撮影してすぐ立ち去ります。もし見つけても絶対に拾いませんように。親は少し離れて見守っています。

他者の発見、対応の痕跡のあるものは重複報告の心配もありますし、発見者の方に了承を得る必要もあると思いますので、例年ウミガメ協議会への報告には加えていません。
ただし和田の海岸線に関しては今までに柵を作成したりしている方々とお会いすることができて、報告を了解いただいているので、数年前から報告に加えることにしました。
いずれにしても白浜以外は毎日調査をしていませんので、「少なくとも上陸していることは確認できている」という記録を残せればという感じでやっています。
誰も報告しなくなってしまえば、産卵地でないことになってしまいますので…。
館山市の平砂浦も毎日調査ではないので、いくつかは確認できていない可能性があります。

写真:今年も館山市のグンバイヒルガオが咲きました。













写真:今年も館山市のグンバイヒルガオが咲きました。

という状況で、私の主な調査地である南房総市の南部(白浜)と館山市の平砂浦では6月からの2か月で、他の方から情報をいただいた平砂浦のひとつも加えても、たった5回しか産卵が行われずにいます。
それらのうち少なくとも根本海岸の3か所は台風12号が御蔵島辺りを西に進んで行った際に高波を幾度も運び、全て高頻度の波を被った様子で、うちひとつは地形も大きく変わってしまっていたので流出の可能性が高くなっています。
でも、しかし諦める必要もないので、負荷の時期が来るまで様子を見たいと思います。

写真:台風12号の高波は南東方向から打ち寄せ、道路上に至るなどかなり高いところまで来ました。















写真:台風12号の高波は南東方向から打ち寄せ、道路上に至るなどかなり高いところまで来ました。

根本海岸ではキャンプ場として産卵地である海岸が利用される季節に入っていますが、18日に確認した産卵のうちのひとつは足跡の薄さから、どうも前日までの連休の間に上陸したものであると思われました。
この7月の連休は夏休み前で週末に集中する行楽客のため、海岸に人出が非常に多く、今回も朝から海岸に人が沢山いました。
それで既に潮間帯の足跡が不明瞭になっていて、見逃してしまったようです。
あとはちょうど、その位置に人が多かったためにちょっと遠慮して通った記憶があり、それもいけなかったようです。
毎日通っている白浜でもそういうことがあるので、もっと丹念に人出が多くなるよりも早くに出かけないといけないなと改めて思います。

写真:ハマユウが少し遅めの開花です。













写真:ハマユウが少し遅めの開花です。

同じ白浜でありながらキャンプ場で昼夜構わず賑わう根本海岸と対照的な、それよりも東の砂取から滝口、川下といった海岸は非常に静かで、海水浴をするには危険な海であることもあり産卵適地になっています。
しかし今年はその区間で6月に1回産卵なしの上陸があっただけで、その後全くウミガメの上がってくる様子がありません。
昨年の台風21号での地形変化は海岸から砂丘にかけてだけでなく、浅瀬の砂の位置の変化も大きかったようですので、その影響なども感じますがよく分かりません。
しかしまだ8月もありますから…。

写真:台風12号の波を免れたスナビキソウ群落。昨年の台風21号で波を受けた海岸は今回波を受けなかった形です。















写真:台風12号の波を免れたスナビキソウ群落。昨年の台風21号で波を受けた海岸は今回波を受けなかった形です。

産卵を探しているのですが、実際はウミガメの死骸を見つける頻度の方が高く心配になります。
今月だけで5体の死骸を見つけました。
またウミガメでなく様々なものも見つかります。
今月特に面白かったものは、なんと徳島の吉野川に浮いていたブイが館山市の平砂浦に流れ着いた事でした。
紀伊半島を迂回し、単純な直線でも540q、実際はもっと沖に出て黒潮にしっかり乗ってやって来たのでしょう。

写真:徳島から流れて来たブイを回収に徳島から!















写真:徳島から流れて来たブイを回収に徳島から!

ブイには設置者の名称と連絡先が記載されていて、連絡を取ってみると回収に来ることになりました。
徳島からブイを取りに来るのはなかなか大変だな…と思いましたが、高価なものでしょうし、何より海岸でそのままゴミになってしまいますので連絡して良かったです。
消失が確認されたのは5月8日だそうで、西日本を襲った豪雨とは関係なかったようです。
2か月ほど海を旅した後に館山に漂着したわけですが、もっと遠くから流れてくる種子などもあるわけで距離的には珍しくはないですが、やはり出発地と流出時期が明瞭に分かっている漂流物の漂着は黒潮の流れを実感するには実感が沸きやすく、面白い出来事でした。
回収された方々には本当にお疲れさまでした。

写真:どこから来たのか?巨大な浮石!















写真:どこから来たのか?巨大な浮石!

他にもいわゆる瓶玉とか呼ばれる、徳島からやって来たハイテクブイとは対照的なガラスのブイもいくつか打ちあがりました。
さらに丸山では今まで見たことがない大きな浮石を見つけました。
最長部分で50pもあり、とても重くて持ち帰るようなものではなかったので置いてきましたが、次に行った時にはまた流れていったのか見当たりませんでした。
実際に浮かべてみたら面白かったですが、動かすのも大変でした。
浮石ですから、どこかの火山からのものか、海底火山からでしょうけど、付着生物が全くなかったので近所の海の中で噴火してるのかな?とちょっと怖いような気分でもありました。

こういうものに遭遇するとそれらについてもっと勉強したくなります。
今月は黒潮の状態がいろいろと打ち上げ易い状況だったんですね。
海から上陸してくるウミガメ、流れ着く生き物から人工物や石まで、本当に海は飽きることがありません。

写真:今月は空が青かったですね。















写真:今月は空が青かったですね。

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