写真:館山湾から望む富士山.
派手に加工しすぎと思われそうな写真ですが,カメラが記録した画像を実際に見たものに戻す作業を行った結果です.
本当に凄い夕焼けだったのです.
今月のTwitter投稿より引用し追記します.
投稿日が投稿内容の観察日ではない場合もあります.
13日
この日の館山湾からの富士山と夕焼け.
素晴らしかったです!
うえにもTwitterと少し構図の違う写真を載せましたが,富士山の背景に様々な色がまじりあい滅多にないような光景でした.
当日のTwitter投稿
17日
カヤック日記更新致しました.
Bloggerにも掲載してあります.
スマホで表示に不具合がある場合は横画面でお願いします.
写真は根本海岸の中央に広がる御神根(おがみね).
当日のTwitter投稿
18日
ポッドキャスト「南房総海音日記」に「2023年3月17日の館山市の港町で囀るイソヒヨドリ」をアップしました.
やっと録れた音ですが,海辺ではこれからちょいちょい聞かれます.
是非聴いてみてください.
そして本物のイソヒヨドリに会いに来てください!
Spotify
当日のTwitter投稿
写真:ユウレイクラゲと思われるクラゲ.
近年の撮影機材は便利になりましたし水面での生物記録はシーカヤックが便利ですね.
21日
館山湾でセミクジラ混獲.
無事に網から出せたのでしょうか?
しかし,こんな希少種まで...館山湾にはいろいろな鯨類がやって来ますね.
過去にもセミクジラが館山の定置網に入ってますし,ザトウクジラも漂着含めれば幾度もあり,カヤックを漕いでいて遭遇できていないのが大変残念ですが,いつかここでそういう場面をご紹介したいです.
定置網が多いのが心配の種です.
「館山・沖ノ島沖の定置網にクジラが掛かる 鈴木さんが動画撮影」房日新聞社YouTube
当日のTwitter投稿
21日
昨日はカヤックで大きなクラゲと遭遇.
傘の直径が30pくらい.
多分ユウレイクラゲ?
よく見ると小さな魚が何種か隠れてて,周辺にも細長い魚が群れてます.
捕食者が現れたら逃げ込むのに最適な移動式避難場所って感じでしょうか?
追記
このサイト
の写真を見る限り,やはりユウレイクラゲっぽいですね?
当日のTwitter投稿
21日
お金で何でもできるとか,Google先生に訊けば何でも知ってるとか,海の上はそんなわけない世界.
当日のTwitter投稿
写真:ミサゴの急降下
上記の「お金で何でもできるとか,Google先生に訊けば何でも知ってるとか,海の上はそんなわけない世界.」についてまあ多分なんとなく分かって頂けたかな?とも思いましたが,今回もTwitter投稿が少なかった事ですし,書き加えてみたいと思います.
カヤックを海で漕ぐという事の意味をあまり重く考えてしまう必要はないのですが,やはりヒトとして陸上で育ってきた私たちがカヤックに乗り海に出るという事の意味はある程度考えておく必要もあります.
まずカヤックを漕ぐ技術というものが必要ではありますが,それは誰しも何を始めるにも初歩というものがありますからヘタクソなのが当たり前です.
私もヘタクソを楽しんだ時期があり(当たり前ですが),それはよく海洋大の授業で学生に話していましたが「今しか得られない貴重な感覚」なので,特に私のようなガイドなどカヤックの楽しみを提供する側になる人の場合,後から本当のその感覚を得ることは不可能ですから,しっかりと苦しんで楽しんで記憶に刻んでおく必要があります.
だから,それを十分に「習得}するには上手な人に教わって手早く上手になるとか,ましてテストをパスしたからOKといったものでそこを目指してしまうと,むしろその大事な事を理解することなく過ぎてしまう可能性があります.
器用な人ほどあまり経験が少ないものと言えるかもしれず,特にベテランほど忘れ去っている可能性がある大切なものであったりします.
その重要な体験はもちろんインターネット上では全く得られない情報ですし,他人の体験談を本を買って読んだり,バーチャルで体験できたとしても,それぞれの身体的能力や性格といった基礎情報といった前提条件が多様過ぎて毎回が違います.
写真:大物を仕留めたミサゴ.
ダツでしょうか?魚の方も反撃し噛みついているようで,この姿勢のまま山の方へ飛び去って行きました.
インターネットでもお金でも手軽に手に入れられる類のものではなく,自らの身体を使って,少し怖かったり,疲れたりしながら時間も使って経験して,そして気づけばスイスイと快適に少しくらいの波でも怖がらずに自分の意志とカヤックが同調する心地良さを得るという,生きている人間がその時に出逢う環境で経験しなければ得られないそれぞれの経験ひとつひとつが無二のもので,そういった本当の楽しみを感じることが出来る唯一の方法は現実世界と自分の身体を経たものだけなのです.
そのうえ,シーカヤックは先に書いたように地上で育ったほとんどのヒトにとって,海という未知の世界での移動経験です.
海は未知ではないと考える方も多いかと思いますが,少なくとも「カヤックに乗って海面を進む」という行為の中での意味ある海の情報はとても少ないですし,地上とは比べ物にならない速度で刻々と状況が変わる海の中でも海面は水際に次いで難しい空間です.
多くの人にとって海で怖いものは水中だと思われているように思います.
カヤックを漕いでいて,少し沖に出た時に「ここはどれくらいの深さですか?」と質問される場合が少なくないのですが,それは未知の世界がカヤックの下にどれくらい広がっているのかについての不安を一言で表した言葉のように感じられます.
実際の数字は10mでも1000mでも足が届かなければ自分の世界ではない危険な場所と認識されるようです.
どんな深さであったとしてもカヤックに乗っている状況とライフジャケットを着ている事とヒトに浮力が備わっていることを考えるとどちらの深さでも人に与える影響はそれほど変わりません.
一方で海岸で潮の流れが速い場所や沖に向かう風が強い場所で遊んでいる,特に幼い子を連れたご家族に心配で声を掛けると帰って来る言葉に「足が届くところで遊ぶので大丈夫です」というのがあるのですが,足が届いているうちは自分の生命が守られていると思うようなのです.
しかし,水の流れがその状況を一瞬で変えてしまうと,次は水の中なので呼吸が確保されない世界へ瞬間的に迷い込む結果ヒト(個体差がありますが)としての能力を越えてしまう事が事故に繋がります.
写真:練習へ.海に出る時は切り替えが大切です.
海棲哺乳類に変身するのですから.
そういった事故や事故の可能性のある状況を毎年近所の海で頻繁に見かけるようになってみて思うのは,カヤックの方がよほど安全だという事です.
ただこれを安易に理解して「海水浴よりもカヤックに乗った方が安全」と読み違ってしまう人がいてはいけませんので,長くなりますが書き続けますので読んでみてください.
海水浴が行われるのは波打ち際であるという事が大きな問題となっています.
先に書いた深い方が不安と考えられている事と関係してきますが,実は浅い方が危険要素が多いのです.
海の中で危険なのは順番で言うと水際,水面,水中と言えます.
一般に最も恐れられている水中が安全度が高く,最も陸地の近い水際が危険だなんて???と思われるかと思いますので,説明してみます.
まず海(水)単体である水中は塩分濃度や温度等の要素があって流れが生じますが,状況の変動には時間がかかります.
次に海面は水だけでなく空気と接する場所となっています.
つまり水よりも変動が大きな空気が動くと,水面には摩擦や気圧との影響が生じて波や流れが生じる変動が起きやすくなっています.
影響要因が多くなることで変動の複雑さと速度が増します.
次に水際ですが,水面の条件に加えて地面が干渉してくる場所となっていますので,水,空気,地面と3つの要因が絡んできます.
写真:海の上で食べるオニギリは最高です.
塩が足らなければ周囲にいくらでもありますし,漕いでいるうちにジャケットの表面で乾いて生成された海塩は大変美味です.
動かず硬い地面が空間を制限する事で,上記の水面での複雑な条件に大きな影響を与えます.
特に浅瀬になるほど水流は密度が高まるので,その力は増大しています.
波を観察していればその意味はよく分かるかと思います.
波打ち際はそういった場所です.
更には川が流れ込んでいるポイントであれば川の水流と流れ込む水の温度,淡水と塩水との関係による動きも加わります.
もっと言えば川から流れてくる石や漂流物,汚染物の事さえ別の問題を提供していますし,磯であれば流れは複雑化して,単純に岩や貝類で負傷する可能性も増します.
多くの人が水際ほど安全で沖合の海面や水中が危険と感じる要因が呼吸の確保の可能性を主にしているのだと分かります.
しかし,その大きな安心要素である空気の確保は一発大波や予想以上の水の流れの強さにより一瞬で失われます.
「だからカヤックが安全」なはずはなく,カヤックも転覆しますし,陸に帰れなくなるような潮流,山からの風といった要因が山ほどあります.
ただ大きく違うのはカヤックに乗るための準備が整っているという事が海水浴よりはよほど安 全と言っても良いかもしれないという事です.
ただし,これも間違いが多くて,準備=装備だと思っている場合が多いのです.
写真:シロチドリがつがいで行動を始めています.
この時はミユビシギも一緒に採餌中でした.
装備をメンテナンスのメンテナンスを十分に保ったうえで,何よりも十分に操作して実際に役に立てる練習の方が大切です.
そして天気を予想して,天気により変化する海況判断と,それに照らして自分の現在の対応能力で漕げる場所,プランを考える段階が最も大切です.
これではまだ書ききれないような.まだまだキリがないくらいある「準備」をしているからこそ,気軽にライフセーバー任せに海に入る行為である海水浴よりは安全と言えるのです.
という事は,海水浴をする時にもっと「準備」をして,例えばライフジャケットを着用してみるとか,シュノーケルを実際に海で使う場合に練習を十分に行うとか,泳いでいる家族や仲間をちゃんと陸から見ていてくれる人を残すとかいった「準備」をしていれば事故はかなり減らせると思います.
ロックダウンの時の影響が間接的にあると感じていますが,季節を問わず水に入る人が増えています.
更にライフセーバーのいない場所で海に入る人,親は水に入らず,小学生にも満たないような幼い子だけで海に入らせる親もかなり見かけるようになりました.
こういった場合に通りすがりの私のような人間が心配で声を掛けても前記のような返事が得られるだけで,なかなかすぐには分かってくれませんが私としては危険があるのを分かっていて声もかけないで通り過ぎて,後であの人が死んでしまったという情報だけ聞くのはとても気分が悪いですから,これからも声だけはかけさせてもらうと思います.
コロナだけでなくライフセーバーが設置されるようになった事が悪い方に働いた可能性も感じています.
溺れたら助けてもらえると思っているのではないでしょうか?
それはかなり甘い考えです.
そういう時は一瞬ですので,ライフセーバーはもちろん大切ですが,あくまでバックアップでしかありません.
自分と家族の命は自分で守るのが当たり前で基本です.
写真:館山湾内の海面.こんなに水がきれいですが一応は東京湾内.
少なくともシーカヤックをするのであれば必ず必要な常識です.
その常識があるからこそ,シーカヤックが安全と言えるのです.
つまり,それを全く意識していないカヤッカーほど危険なものは無いという事になります.
人力で,時にはひとりで沖に出るという事の意味を十分に理解しているカヤッカーが少なくなってしまっているかもしれません.
それを理解して十分に注意して練習を楽しみつつ,少しずつ海の上を自分の世界のひとつとしていけるのがシーカヤックの楽しみです.
誰かと競争するわけでもなく,海から何かを搾取するわけでもなく,ただ海の上を往く楽しみは山登りやスキー,マウンテンバイクといったマンパワーアウトドアアクティビティと共通のものです,
それらはインターネットでの疑似体験では得られないものですし,お金で得られるスキルも安全もありません.
お金で得るのは最初にカヤックの道具を買って,海に行くまでの交通費までです.
まああとはガイドを雇う事はできますね...ガイド業の人が言うのもなんですが,本当は全て自分で積み上げて経験していく方が充足感は大きいのです.
時間と体力のある人にはそれもお勧めです.
海に出たら海水浴もカヤックも同じです.
自分が判断し,行動を決めて,そして充足感を得るのも自分です.
良い意味でも悪い意味でも海は自業自得なのです.
写真:沖ノ島を横目に館山湾をタンデムカヤックで.
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