写真:ついこないだまで穏やかな繁殖地として暮らしていた海岸に毎日重機が走り回る状況に戸惑っている様子のシロチドリ.(右下)
子育てをしているさなかに国が戦争を始めれば人間も同じような経験をしますが,それは自業自得.
以下は今月のX(旧Twitter)投稿より引用し追記します.
投稿日が投稿内容の観察日ではない場合もあります.
2日
今朝,根本海岸内で千葉県重要保護生物指定のコチドリの巣(卵)が見つかりました.
現場海岸で重機作業を行っている会社社長に作業の配慮希望含め,その旨伝えたところ「危ないから違うとこ産め」とのこと.
どう思われますか?
これらについて役所も非対応です。
南房総市にはアニマルライツどころか自然保護という言葉もまだ理解されていない状況があります。(役所及びその周辺において)
南房総市が消えつつある市となっている根源的な理由がこのような非常に遅れた思考、姿勢にあると考えます。
今回のやり取りは私ではなく妻が行ったものですが、そのバカにした態度は酷いものでした.
念のためしておいた録音の文字お越しを載せたいところですが一応やめておきました.
特に南房総市、千葉県在住の方にとっては税金を払っている相手でもあります.
実際のやり取りの一部を載せておきます.
当方「あの卵が産まれるまでに結構時間かかるんですよね,だからその期間だけでもやめてもらうってことはできないんでしょうか?」
社長「できませんよ,海水浴場の開始が決まってるんだから,お宅のひとことで,そんなの変えられるわけない」
保護種対応の話を当方の我儘と勘違いしているようです.
以下は引用リツイートした投稿
「野鳥好きの方へ拡散のお願い。
千葉県南房総市の根本海岸で重機による海水浴場とキャンプ場整備が6/24(月)から入る事になりました。
絶滅危惧種シロチドリの巣が2カ所の保護囲いを撤去して巣の位置のみ示すよう指示がありましたが親鳥が抱卵しており卵さえ踏まなければ良いという状況ではありません。」
当日の投稿
写真:重機による海岸造成が始まって1週間頃のシロチドリの親鳥たち.
人が知る事が無い間に様々な問題が起きているはずで,その目に怒りや疲れ,戸惑いが感じられるように見えます.
9日
なんだかんだ人間がやってる中でシロチドリは雛が無事育たずに産卵を継続.
健気としか言いようがありません.
国定公園の海岸に砂以外の物を毎年持ち込んで固める役所.
巣を保護する囲いを跨いで通過する犬連れの足跡.
これでは数十年後チドリやウミガメが産卵できる場所が残っているのか心配です.
他の巣でも囲いの中に入る人が確認されています.
保護している巣内に入って卵を踏んで死なせた場合は鳥獣保護法違反と言える状況になってしまいますので,入らないようお願いいたします.
当日の投稿
13日
本日の根本キャンプ場開場前にシロチドリ巣の囲いに看板を立てました.
内容は「生物保護中 立ち入らないようお願い致します Do not enter please」です.
絶滅危惧種の巣がある事,シロチドリである事など種に関する情報は万一盗卵や撮影などで危害が起きる事を避けるために記載しませんでした.
根本海岸はウミガメの産卵地として知られてきている為,多くの方はウミガメの卵が埋まっているのだと思ったようですが結果としては保護には大変有用でした.
ご協力ありがとうございました.
また,この日には別の海岸では新たなシロチドリの巣も発見しました.
植生さえ十分に密生していればこんなに安全に卵を産めるんだなあというサンプルのような巣でした.
根本海岸も植生群落面積を増やす方向で進めたいと思います.
当日の投稿
写真:シロチドリを追いかけるコチドリ.
コチドリはシロチドリより小さいけれど気が強い傾向.
狭い海岸にシロチドリとコチドリが繁殖している状態で海岸の造成が始まるといざこざの頻度も高まるようです.
15日
掲載した写真はいずれも同じ地域の砂浜海岸です.
写真1:滝口,2:根本ですが,時代背景的,ネイチャーポジティブ的に言うと根本海岸も1に完全に戻さないまでも少しずつ近づけていく(戻していく)必要があります).
お金の生産性が落ちるか高まるかだけで判断したら,むしろお金含め全てダメになっちゃうと思います.
ちなみに根本海岸の広大な面積のほとんどは関東大震災による隆起で広がったもので主な砂地は現在の海岸道路の山側に発達していました.
長年のキャンプ場運営の影響で植生の広がりが制御されてきた経緯があります.
大地震発生時の液状化と隆起が同時の起これば避難に送れる人が出る可能性も心配です.
その後に掲載した写真は根本海岸でまだ頑張っているネコノシタとスナハマハエトリ.
他にもハマボウフウ,コウボウムギ,ハマヒルガオ,ケカモノハシなども頑張ってます.
人が注意して利用すれば海浜植物(とそこに暮らす生物)の楽園となるでしょう.
それを愛でながらのキャンプ場なら行きたいという人も多いかと.
追加でイルカが根本沖に定住していた時期,2000年撮影のカヤックで沖から見た根本海岸の西寄りを掲載しました.
まだ建物がかなり少ないのが分かると思います.
このイルカの群れは御蔵島→洲崎→布良→根本→?という移動が確認できました.
赤ちゃんイルカは隣の布良にいた頃に産まれましたが育たず.
詳細はこちらhttp://6dorsals.com/honyu/honyu.htm
当日の投稿
写真:シロチドリの巣を中央にして囲うように配置した目印の棒(赤矢印の位置)のすぐ際を走った重機の痕跡.
ここを通らなくても済むはず.
造成期間中に明瞭な囲いを設置する事は拒否されました.
むしろ必要な時期な上に巣の近辺の地形改変作業は親鳥の卵放棄の可能性を高める行為であり,間接的な鳥獣保護法違反と言えないでしょうか.
17日
このニューヨーカーのチドリ親子は十分に保護されて穏やかにシアワセそうで羨ましい.
根本海岸の,南房総のチドリたちにもそういう日が来るようにしていきたいです.
当日の投稿
17日
メダイチドリが増えてきました.
写真のようにシロチドリとメダイチドリは一緒に動くことが多い一方,コチドリはメダイチドリと一緒に動く姿は見た事が無くて,むしろケンカしている場面が多いよう.
種毎の相性って,どんな要素があって決まるのか興味深いです.
当日の投稿
18日
根本海岸以外でもチドリの繁殖は続いてます.
海浜植生の中で卵を抱いている母シロチドリ,親鳥に見守られながら過ごすコチドリの幼鳥,磯場で親鳥からほぼ自立したような様子で凛々しい姿のシロチドリの幼鳥.
これからますます暑い日が続くので彼らも大変.
ところでウミガメの産卵がまだ1件もありません.
チドリもウミガメもいつか南房総を見捨てちゃうんじゃないかと...
当日の投稿
写真:7/3に発見した巣を囲う目印が設置された位置(赤矢印).
造成中の囲いは目印だけにするようにと土建業社長と根本区からの要望があり,完全な保護が出来ない状態で重機が海岸に入りました.
囲いのすぐ脇を植生を踏みながら通過した重機の痕,写真手前にも通過痕があり,すのすぐ奥の砂丘上はあっという間に人工的に加工され,植生も多くが排除されましたが,この位置もシロチドリ,コチドリが営巣する可能性のあるエリアです.
18日
海岸利用の頻度,密度が高まる季節に なりましたの「Tアクセス」を今一度.
ご配慮よろしくお願いいたします!
当日の投稿
19日
カヤック日記更新致しました.
2024年5月のカヤック日記です.
http://6dorsals.com/column/column.htm
http://6dorsals.com/column/column.htm
Bloggerにも掲載してあります.
スマホで表示に不具合がある場合は横画面でお願いします.
https://6dorsals.blogspot.com
どうぞよろしくお願い致します!
投稿の写真:館山湾岸で抱卵中のコチドリ
当日の投稿
写真:7/8巣で孵化した3羽の雛を連れて巣から100mほどの波打ち際で採餌中のシロチドリ一家.
左の子は海を眺め,真ん中の子は採餌に夢中,右の子は海藻に隠れてウトウト?この親子は母親が1羽で3羽を世話していました.
このあと一日一日と雛が減っていきます.
自然の厳しさと人の影響の陰を感じました.
21日
朝、白浜町根本キャンプ場でシロチドリの巣の囲いの外で話した子供の言葉。
私「この中で卵を抱いてる鳥は絶滅危惧種なんですよ」
その子「絶滅危惧種!白浜の価値が上がった!」
根本海岸の生息地としての価値を一瞬で理解したとても深い意味のある言葉に感動しました。
根本海岸の未来は明るいかも。
当日の投稿
22日
2日前ですが,南房総市太平洋岸でカツオノエボシが多めでした.
今日はもうすっかり見られずでした.
とっても痛いので触らないでください.
しかし興味深い生き物ですから観察はお勧めです.
打ちあがって間もないものは良く動きます.
でも絶対に触らないでくださいね.
過去にYouTubeにアップしたカツオノエボシの動画.
動いている様子がよく分かります.「カツオノエボシ 2020年6月30日 南房総市太平洋岸」
当日の投稿
22日
そういえばシロチドリ巣のヘビによると思われる捕食例がありました.
6/11に発見6/15に抱卵も周辺に親鳥も確認できないので巣を確認すると卵が無くヘビの這った痕跡が付近にありました.
自然度が高い海岸では別のリスクがありますが,これは自然の摂理ですので.
青矢印が巣で赤矢印がヘビの這い痕.
しかしその時に親鳥がどれだけ大変だったかを想像するとやっぱり自然は厳しいなあと感じます.
ヘビに擬傷行動は効果があるのか?
当日の投稿
写真:7/3発見巣の親子は巣の周囲にずっと留まっていて,巣周辺の植生群が天敵が来た時の重要な隠れ場所となっていました.
巣の周辺は親鳥が餌場も隠れ場所も含め熟知している場所として子育て中も利用している事が分かりました.
その点で孵化後も囲いを残す事で人や重機が雛を踏み殺してしまう可能性を下げられると考え囲いはキャンプ場が完全に閉鎖する時期まで残しておきました.
写真中央の白いのが雛,右上に親鳥.
23日
今朝,繋がれていない犬が海浜植生内のシロチドリ巣のそばを走り回っていて焦りました.
卵は無事でしたが雛連れだったら混乱は大きかった事と思います.
人がいないので安心してと思いますが,一方で人が少ない所は生物密度が高いので,その点も配慮頂き海岸でも常時リーシュをお願いしたいです.
ここは囲いや看板などの保護はしていない巣です.
「囲いがあれば」と思われるかと思いますが人目に触れにくい海岸にある巣を目立たすことで起き得る問題を回避する目的で設置していません.
「どこの海岸でもそういう希少な生物が静かに暮らしているかもしれないのだ」と考えて頂ければ幸いです.
当日の投稿
23日
シロチドリ♂
千葉県南房総市6月3日撮影
当日の投稿
23日
土曜夜に根本キャンプ場で「根本海岸に暮らす生き物たち」スライドショーを開催致しました.
今までで最も印象的な会場(事務所の裏のおばちゃんたちの休息場所)でしたが子供さん半数ほどの50人ほどが観に来てくれました.
そしてキャンプ場が空いてる間の毎週土曜19時開催予定です.(天気次第)
以前は海岸の中央で行いましたが,光が海側に漏れてウミガメに影響がある心配があり今回は最も光害が少ない方法をとったのでした.
当日の投稿
写真:オカヒジキという海浜植生の中でも海辺に近い位置に生える海浜性植生が盛大に広がった今年の白浜の海岸線ではシロチドリ,コチドリ共に営巣と養雛が高い頻度で見られました.
隠れる場所が十分にある海岸では雛の様子にも余裕があり,隠れ場所のすぐそばでは堂々としているように見えます.
写真上からシロチドリの雛,オスとメスの間に幼鳥,特にオカヒジキの密度が高かったエリア.
25日
わたくしの師匠,秋山章男先生の企画展です!
科学者として長年生物を観続けてきた先生が,晩年に生物の生態を忠実にそして誰にも直感的に分かりやすく理解できるようにと様々な形で表現した作品を多数残されました.
是非この機会に千葉県が誇りにすべき秋山先生の作品を!
企画展ポスターPDF
当日の投稿
26日
南房総市太平洋岸で随分黒い軽石が打ちあがってました.
昨年11月の硫黄島噴火のでしょうか?
半年以上海上を漂っていたのだとしたら付着生物がほぼ見られないのも不思議.
当日の投稿
写真:抱卵を交代するシロチドリの親.
慎重に,大切そうに,様子を確認しながらという動作の中に卵がどれだけ大切にされているのかが感じられます.
26日
先日,犬が走り回っていたところのシロチドリ巣で無事孵化が確認できました.
雛は1羽が見え親から離れた位置で漂着物の中に餌を探していました.
ここで犬の散歩が毎日行われているのは卵の時期よりも心配です.
犬の散歩の方はリーシュを短くして出来るだけ波打ち際を歩いて頂けると助かります.
雛は危険を感じると物陰でジッとしてしまうので捕食者や犬には見つかりにくくなりますが,低い確率ではありますが運が悪いと踏んでしまう可能性があると思います.
当日の投稿
26日
6月の写真を整理しています.
海岸整備で一変した根本海岸です.
来年の根本海岸ではもうこんな困惑したようなシロチドリの姿を見たくないと思いました.
ここがシロチドリ,アカウミガメという絶滅危惧種の繁殖地であることを南房総市が十分に理解して対応するように働きかけを続けたいと思います.
当日の投稿
28日
根本マリンキャンプ場スライドショー昨夜も予定通り開催致しました.
根本でイルカがというのは意外なようですが,時々短期間定着するミナミハンドウイルカを確認していますので来られたら,是非一度は沖を眺めてみてください.
その群れの第一発見者になるかも.
※写真使用お許し頂いております
当日の投稿
28日
根本マリンキャンプ場内にあるシロチドリの巣では親鳥が今朝も抱卵していました.
そろそろ孵化する時期で親鳥はソワソワしているのかもです.
囲いは広めにしてありますが,周囲で動きの多い作業や運動をすると警戒して抱卵を中止してしまうので,出来るだけ離れて優しく見守ってあげてください.
当日の投稿
写真:7/8卵発見のシロチドリの巣で孵化が確認(雛を初見)した朝に潮間帯に落ちていた卵の殻.
親鳥は孵化の痕に殻を巣から離れた場所に捨てに行くようです.
また殻の割れ方は特徴的で渦を巻くようになっています.
カラスなどに破損されたものと見分けるのに有効な指標になりそうです.
30日
前の投稿で「孵化がそろそろ」と書きましたが29日の朝孵化してました!
雛2を確認,メスが残りの卵1を抱卵していましたが,今日30日には雛2を連れて巣の数編で親鳥2が世話をしていたので卵1は残念ながら放棄かと思われます.
そしてなんと根本の西端の巣でも29日に孵化を確認!
今日30日も雛の元気な姿をが確認!
と、喜んでいられるのもつかの間で、キャンプ場内で雛が動き回って過ごしながら成長するのは、なかなかかなり心配。
卵は位置が分かっているので保護しやすいのですが雛は海藻の影、海浜植生の中、砂の表面で伏せてジッと等々…どこにでもいる可能性があるので。
どうぞご注意お願い致します!
波打ちぎわを歩いて植生を出来るだけ踏まないと少し安心です。
つまりTアクセスでお願いします!
当日の投稿
写真:根本ではない白浜町の海岸で親鳥と2羽で行動していた,まだ飛べないシロチドリの幼鳥ですが,翼を広げるとなかなか立派.
もう飛べるのに兄弟がいないと競争心が湧かず飛ぶまでに時間がかかるのかも?
※南房総市へ絶滅危惧種の繁殖地としての根本海岸の利用の仕方についてご意見をお持ちの方へ.
是非,南房総市「市長への手紙」
https://www.city.minamiboso.chiba.jp/0000008044.html へ投稿をしてみてください.
以下本文にもありますが,私の知り合いのカヤッカーの方が既に手紙を書いて下さっていて返事含め南房総市のホームページに掲載
されています.
ネット上でも「南房総 シロチドリ」と検索するとトップにヒットするようになっており,ご意見と市の対応を残す良い方法になりそうです.
是非ご検討ください.
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