ハンドウイルカ

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このハンドウイルカたちに初めて遭ったのは1998年の9月でした。 情報元はなんと東京のカヤック仲間でした、ニュースで報道されたそうです。 その後ローカル新聞の房日新聞や館山市の広報誌などでも紹介されました。
そして私もカヤックを漕ぎ、イルカがいるという洲崎(すのさき)へと向かったのでした。 そうやって洲崎に向かっている時にもイルカはもういないだろうなと思いながら漕いでいましたから、その直後に館山の海でカヤックを漕ぎながら野生のイルカと遭遇できた時の驚きは忘れられません。
遭遇初日には腫れ物に触るように注意して観察しましたが、それが良かったのかイルカ達のほうから接近してきてくれる事が多く、この日すでにエスキモーロールによって(カヤックに乗ったまま逆さになって)水中観察も少し出来ました。
そしてこの日からこの小さな群を観察する日々が始まりました。 まずはじめた事はひたすら写真を撮る事でした。 少しでも多くの写真を撮ることで、それぞれの個体の特徴を把握するためでした。 1頭1頭を確実に識別出来るようにすることで個体ごとの関係や彼らがどこから来たのか、これからどこに行くのかを知りたかったからです。
彼らの体には多くの傷跡があります、特に背びれには特徴的なものが多くそれが個体を識別するマークになります。 それをノートし覚えやすい名前をつけ、背びれだけでも見分けがつくようになりました。 群が小さく、それぞれが識別のしやすい傷を持っていたことは1人で観察をしていた私としては運の良いことでした。
ちょうどその頃、伊豆諸島の御蔵島でハンドウイルカの調査をしている人達がいる事を知りました。 そして、それらを調査している御蔵島バンドウイルカ研究会、御蔵島イルカ協会との情報交換によって6頭のイルカの内4頭が1997年まで御蔵島で観察されていた個体である事が判明しました。 これが1999年の初めでしたので、こんなに早く結果が出たのには私も驚くと同時に嬉しくて仕方がありませんでした。 その後、群では去って行った個体がいたり、子イルカが何頭も産まれたり、またその子が死んでしまったりと様々な変化が続きました。 この群は雄、雌、若いイルカが混ざった珍しい群でしたので見られる行動全てが貴重でした。可能な限り記録し、撮影していきました。
しかし、この群は2003年12月23日を最後に急に確認できなくなりました。また群をはぐれ2004年の4月まで1頭で残っていた館山産まれの若い雌も去っていきました。 同群が見られなくなったことは残念なことではありますが、関東の沿岸で5年にも亘って野生のハンドウイルカを観察するという貴重な機会に恵まれたことはとても幸運といえます。
この記録は鯨類研究者、愛好者の集まりである勇魚会の機関誌「勇魚」に掲載された報告で1998年〜2003年1月までの調査記録として詳細を公開しました。 本発表では調査地が首都圏に近いこともあり、あまり多くの人が集まることによりイルカの自然な行動が妨げられることを危惧し調査位置の詳細は一部省略しています。
その後の情報は「カヤック日記」のページをご覧ください。

「南房総に定着したハンドウイルカの観察」
[勇魚] p85〜92 第38号/No.38 2003年6月25日 勇魚会発行

藤田健一郎,2003.勇魚(38),勇魚会発行.85-89pp(本文)
藤田健一郎,2003.勇魚(38),勇魚会発行.90pp(南房総識別表)
藤田健一郎,2003.勇魚(38),勇魚会発行.91pp(御蔵島識別表、御蔵島バンドウイルカ研究会)
藤田健一郎,2003.勇魚(38),勇魚会発行.91pp(地図表)
藤田健一郎,2003.勇魚(38),勇魚会発行.92pp(南房総写真識別表)
注意:引用される際には「藤田健一郎,2003.勇魚(38),勇魚会発行.85〜92pp」として引用願います。 またウェブサイトなどでの引用の場合も必ず引用元を掲載してください、またページ単位での転載は禁止します。 以上の5点のドキュメントへのウェブサイトなどからの直接リンクを禁止します。お問い合わせはこちらまで 藤田健一郎

以下の文献等でも房総のハンドウイルカについて触れて頂いております。

「東京湾の魚類」 東京湾のクジラたちp56-59(谷田部明子氏著)
河野 博 監修 編 加納光樹・横尾俊博 平凡社
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「東京湾 魚の自然誌」 12章 東京湾の鯨類(谷田部明子氏著)
河野 博 監修:東京海洋大学魚類学研究室 編 平凡社
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「Wild Dolphins」御蔵島バンドウイルカ研究会活動報告DVD
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御蔵島バンドウイルカ研究会,2005.御蔵島周辺のミナミハンドウイルカ個体識別調査報告書(1994年〜2003年),御蔵島バンドウイルカ研究会発行.62pp

御蔵島周辺海域に定住する「ハンドウイルカ」について,2002.角田恒雄,田島木綿子,新井上巳,小木万布,菱井 徹,山田 格.国立科学博物館専報 38, 255-272, 2002
On the Resident "Bottlenose Dolphins" from Mikura Water.Mem Nath.Sci.Mus.,Tokyo(38),December25,2002
CiNii http://ci.nii.ac.jp/naid/110004713878

「イルカ・ウォッチングガイドブック」 Field ReportAウォッチングと生態研究の両立(小木万布氏著)p116-117
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「イルカ・クジラ学〜イルカとクジラの謎に挑む」 4章 1枚の写真からイルカやクジラの移動を探る(森 恭一氏著)
村山 司・中原史生・森 恭一 編著:東海大学出版会
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98年9月13日 南房総に現れた頃。最初は6頭だった。



98年12月13日 水中での撮影はエスキモーロールで。 体のキズを記録して、個体識別を始めた。 1999年には御蔵島バンドウイルカ研究会との協力で、御蔵島からの移住者達と判明。



99年5月1日 イルカの気分が良ければ、カヤックに接近して来てくれる。



00年1月29日 洲崎にいた頃。海岸から100m程しかない。



01年1月7日 南房総にきてから2頭目の子供。お母さんは腹に斑点が多い。



01年7月4日 時々、素晴らしいジャンプを見せてくれる。



01年12月4日 夕日の中を泳ぐハンドウイルカ


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