千葉県のあらゆる海岸ではこの写真のように産卵中のウミガメに遭遇することがあります。
産卵は主に夜間行なわれますが、早朝に上陸するものや産卵に時間がかかってしまった母ウミガメは日が昇った後でも海岸にいる場合があります。 もし夜間に発見した場合はすぐに接近したりライトを当てず一旦離れて様子を見てください。 気付かれた場合、産卵前の個体は敏感で産卵をやめて海に帰ってしまう場合があるそうです。 判断は難しいですが産卵が始まっている個体の場合は途中で産卵を中止することができず逃げることがありません。 また既に海に向かって歩いているように見えてもまだ産卵をする前で、巣に適当な場所を探している最中である場合があります。 母ガメは足ヒレと大きな体を引き摺りながら、通常の棲息場所ではない陸に大きなリスクをとって上陸しているところです。 人の出産で考えれば海でひとりで出産している状況を思い浮かべてみると良いかもしれません。 それはただでさえ緊張を強いられる場面です。 それ以上の苦痛を与えないように観察する場合には撮影や接近は最小限に控えてあげたほうが良いでしょう。 調査の記録となるようなものを残すには産卵中の個体に後方からそっと近づくのが良いでしょう。 甲羅の計測や甲羅の写真を残すことで種類が確実に判別できます。 また足ヒレにタグが付いていないかも確認すべきところです。 もしあった場合には表記も確認できるように無理のない範囲で撮影しておいてください。 また外傷やフジツボの配置など特徴のある部分を見つけたら撮影しておくと自然標識として今後同じ個体が見つかった時に調査に役立つ可能性があります。 産卵場所が分かる場合には周囲に棒を立てるなどして後で場所を特定しやすいようにします。 母ウミガメを見かけた時には是非ご連絡ください。 EMAIL dorsals@jeans.ocn.ne.jp |