産卵から約60日後、子亀達は巣から脱出します。 巣から脱出する数日前には地中で既に孵化は終わっていてしばらくは巣を離れずに時期を窺っているそうです。 そして脱出の時は普通、天敵の少ない夜間であり、また数日の誤差があります。 ですからぴったり60日経ったからといって出てこないのを心配し掘ってしまったりするのは子亀達にとってありがたいこととは言えないでしょう。 彼らの都合で海に帰る日や時間を決めているのですからこちらは我慢して、じっくり待ってあげたいものです。 また朝に海岸に出かけたら子亀がおかしなところでまごまごしているところに出会うかもしれません、明らかに海に帰れずにいるようであれば夏の日差しや鳥にやられてしまう前に海に帰してあげても良いかもしれません。 |
子ガメが巣から海まで向かう様子 https://www.youtube.com/watch?t=13&v=YaNuGnSn4-A 2014年8月16日南房総市白浜、同6月に産卵された巣周辺に多数の子ガメの足跡と巣からの脱出痕跡が見つかりました。 それらを記録中に巣脱出口から子ガメが1頭不意に出てきました。 通常は夜間に巣から脱出し海へ向かう子ガメですが、私が周囲を歩いたことで刺激を受けてしまったのでしょうか? この幸運な機会にすぐに撮影を始めました。 夜間の行動に適応していると考えられる子亀の身体能力や行動パターンですが、この動画のように昼間の光に溢れた状況でも確実に海を目指すことが出来るという事は不思議な事です。 この動画を見てみると夜間に海へ向かった兄弟の足跡とほとんど変わらない経路を辿っています。 海面の反射光を頼りに海を目指すと言われる走光性以外の海へ辿り着くための仕組みがあることは確かなようです。 また夜間には観察しにくい様々な漂着物、窪みが子ガメの歩行に与える影響がとても分かりやすく見ることが出来ます。 途中に子ガメが落ち込む穴はスナガニの巣穴で、子ガメがこのまま放置されていた場合に捕食される可能性が高いと思います。 巣穴の状態からカニが既に巣内にいない可能性がありますが、もがくほどに落ち込んでいく様子から少なくとも自力での脱出ができないと思われます。 スナガニの穴が棲家だけでなく餌生物を得るための落とし穴としても機能している可能性が考えられます。 自然状態での観察をするという意味では手助けをするべきではなかったかもしれませんが、その後の海に辿り着くまでの行動を記録するという意味もあり巣穴から救出した次第です。 |
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